ソーシャル・ニュースリーダー『Crowsnest』のベータ版を開始しました

追記: Crowsnestは、2011年10月3日より正式公開されています。Twitter IDをお持ちであれば、どなたでもお使いいただけます。

僕が今年から働いている株式会社Rmakeのプロダクトとして、Twitterのタイムラインを自動でまとめるソーシャル・ニュースリーダー『Crowsnest』のベータ版を開始しました。

追記: 2011年12月時点の最新のスクリーンショットは以下になります。


Crowsnestとは

Crowsnestは、日々Twitterにつぶやかれる大量のURLを収集し、ユーザのタイムラインに基づいてまとめ直し、時系列に並べて閲覧することができるサービスです。

TwitterFacebookのようなソーシャルメディアが勢いを増す中で、インターネット上の情報収集手段は、RSSリーダーソーシャルブックマークといった従来のツールから、ソーシャルメディアベースへと徐々に移ってきています。しかし、ソーシャルメディアのタイムラインは流れが非常に速く、大切な情報を見落としてしまいがちです。

そこで、自分のタイムラインからURLを抽出し、見やすく集計してくれるサービスがいくつも出てきています。国内では、retime.meが最近リリースされました。海外では、paper.liFlipboardが有名です。Crowsnestも、これらのサービスと近いコンセプトを持っています。

Crowsnestは、直訳すると「カラスの巣」ですが、船の(マストに置かれている)見張り台という意味があります。情報の海を見渡すことのできるサービスを目指して、この名前を付けました。また、サービスのベースとなるTwitterが鳥をモチーフにしていることから、カラスとの繋がりがあって愛着を持てる名前だと思っています。

Crowsnestの使い方

CrowsnestにTwitter IDでログインすると、タブ式の画面が表示されます。タブは「フォロー」「時事」「動画」などテーマ別になっていて、それぞれのテーマに沿ったリンクが流れてきます。画面を開いたままにしておくと、リンクは順次更新されていきます。各リンクの表示されているボックスを展開すると、リンクの本文や、リンクに言及しているツイートの一覧を閲覧できます。

通常のタイムライン閲覧や返信ができる「タイムライン」タブも付いているので、簡易的なTwitterクライアントとしても使うことができます。また、モバイル版があり、AndroidiPhoneでも快適に使えるようになっています。


ソーシャルグラフの「内側」と「外側」を両方考慮したパーソナライズ

Crowsnestの大きな特徴は、ユーザが持つソーシャルグラフの「内側」と「外側」を、両方加味して適度なパーソナライズを施してくれる点です。

もし、自分のタイムラインに流れてくるURLだけを集約するとすれば、確かに自分の興味に合った情報を得やすくなるかもしれませんが、情報の観測範囲は限られ、タコツボ化が発生してしまいます。

かといって、「人気ランキング」のようなやり方でユーザ全体の盛り上がりを観測すると、全員が完全に同じコンテンツを見ることになり、せっかくのソーシャルグラフを活用できず、もったいない感じがします。

そこで、Crowsnestでは両方を使います。

Crowsnestでは、TwitterでつぶやかれるURLに対して、そのURLが自分にとってどの程度重要かを測るために、「全体で何回ツイートされたのか」という尺度と、「自分のフォローしているユーザの中で、誰がツイートしているのか」という尺度の2種類を用意しています。前者がソーシャルグラフの外側、後者が内側に対応します。

そして、「50ツイート以上されているURLだけを表示」のようにしきい値を選択して、情報の流量と質のバランスをコントロールできます。しきい値を下げれば情報量を増やすことができ、しきい値を上げれば重要な情報だけをフィルタリングできます。

ソーシャルブックマークの世界では、はてなブックマークのお気に入り機能などで、このようなアイデアがすでに実現されていますが、Twitterをベースにしたアグリゲーションサービスの中にはあまり見当たらなかったことが、Crowsnestの開発動機の1つになっています。

リンクに対する感情の共有

また、Crowsnestには、リンクに対して「キモチ」という顔文字を付けられる機能があります。

Twitterで面白い情報を見つけたとき、情報の内容(あるいは発信者)に対して共感を示したくなることがあります。その表現手段として、お気に入り(Favorite)やRTが使われますが、もう少し気軽な方法があっても良いのではないかと思い、「キモチ」機能を作ってみました。

リンクにキモチを付けると、自分をTwitter上でフォローしているCrowsnestユーザの全員に、そのキモチが見えるようになります。さらに、自分が先にツイートしたりキモチを付けたりしたリンクに対して、後から他のユーザが共感してくれた場合、その共感をお知らせとして受信することができます。

自分の周辺でキモチの付いたリンクだけを集計するキモチタブもあるので、一種のレコメンドとしても機能するのではないかと思います。

タブのカスタマイズ

デフォルトでは、「時事」「IT」といった基本的なタブが初期表示されていますが、このタブの構成は自由にカスタマイズ可能です。

例えば、「特定のドメイン以下のリンク」「特定のリストに入っているユーザが言及したリンク」「特定のハッシュタグが付いたリンク」といった条件を指定し、タブを作ることができます。

また、タブマネージャから、「2ちゃんねる」「Togetter」といったカスタマイズ済みのおすすめタブを入手することもできます。

招待制になっています

現在、Crowsnestは正式リリースに向けた調整のため、招待制をとっています(追記: 2011年10月3日に解除しました)。利用にあたっては、他のCrowsnestユーザから招待状を受け取る必要があります。すでにユーザになっている方は、ぜひお友達に広めていただけると嬉しいです。

それでは、Crowsnestをよろしくお願いします!