バスケットボールのスポーツ推薦で七芝高校に入学した長谷川昴は、憧れの男子バスケ部に入部するが、尊敬していた部長のロリコン疑惑がきっかけで部活動停止の目にあってしまう。行き場をなくし、日々所在なく過ごしていた昴だったが、叔母の強引な誘いから、彼女が顧問を務める小学校の女子バスケ部の臨時コーチを引き受けることになった。
　気が進まないながらもコーチに訪れた昴の前に現れたのは、メイド服に身を包んだ五人の女の子たちのご挨拶だった!?
　 「お帰りなさいませ、ご主人様」。この物語は、一人の男子高校生と五人の小学生の女の子がバスケットボールにかける青春を描く、ローリング・スポーツコメディである。
　

　可愛い美少女満載のビジュアルで、ハーレムアニメ的な作品を連想しがちだが、バスケへの情熱を失いかけている主人公の昴が、女子小学生バスケ部の臨時コーチをする事で情熱を取り戻していく、中身はしっかりとしたスポーツ作品。絵柄で“食わず嫌い”には要注意。
　とはいえ、天才的な素質を持つ智花や、バスケに向いた高身長の愛莉、しっかり者で部のまとめ役の紗季など、それぞれにバスケの才能や、個性を持ったキャラクター達が最大の魅力。演じる声優陣も花澤香菜、井口裕香、日笠陽子など人気・実力派ぞろい。出演声優5人によるユニット「RO-KYU-BU!」も結成されており、ユニットとしての展開にも期待が高まっている。

　とある雑居ビルの308号室。扉には「NEET探偵事務所 It's the only NEET thing to do(たった一つの冴えたやり方)」と書かれている。そこを根城とするのは、自らを「ニート探偵」と呼ぶ少女・アリス。部屋から出ないひきこもりで、ネットを駆使して真実を暴き出し、事件を解決する。
　彼女のもとに集うのは、16歳の高校生ナルミとニート探偵団。多くの人にとってはどうでもよくて、でもほんの少しの人にとってはかけがえのない事件。これはそんな事件をめぐる、ちっぽけだけど温かな物語。
　

　杉井光によるライトノベルを原作としたジュブナイル・ミステリー。ニート探偵という設定は斬新だが、カテゴリ的にはいわゆる“安楽椅子探偵モノ”だ。彼女と出会い、仕事を手伝う事となった高校生・藤島鳴海を中心に物語は展開する。1月から放送されたアニメ「GOSICK -ゴシック-」を連想する人も多いだろう。
　ドラッグ、援助交際、マネーロンダリングなど、街の裏で起こる様々な事件に挑むと同時に、登場人物達の若さもあり、青春要素も加味されている。
　アニメ制作は「とある魔術の禁書目録」、「バクマン。」などのJ.C.STAFFが担当。第1話の放送は、深夜アニメとしては異例の1時間拡大放送(レギュラーは30分)で、事件エピソードの原案を原作者の杉井光が起こし、シリーズ構成の水上清資が脚本化。原作にないオジナルの事件を元にしているため、原作ファンも要チェック。声優面ではアリス役・小倉唯の演技にも注目だ。

　舞台は関東のとある港町。過去の出来事から他人と距離をとって生活している17歳の少年・丹童子アルマの前に、執事とメイドを引き連れた少女・藍羽ルリが現れる。彼女は「悪石(アシ)」と呼ばれる怪物と戦い続けており、アルマが持つ「セイクリッドセブン」の力こそ、唯一悪石に対抗できる力だと告げる。だが、アルマはかつてその力で人を傷つけた過去を持っていた……。
　そして、穏やかな町に突如現れる悪石。アルマは自らの力を振るうが、暴走させてしまい、事態は悪化していく。ルリはアルマの本当の能力を解放するため、宝石を錬成。
　「私の意思をあなたにあげる。」ルリの思いを刻み込んだアルマの力が、悪石を打ち砕く。 
 

　 “石”と“意思”をもじった設定で、悪石と呼ばれる敵のモンスターも石で出来ているような独特のビジュアル。アクション要素をふんだんに盛り込み、サンライズらしい正統派なヒーロー作品になりそうだ。
　キャラクターデザイン原案はいのまたむつみ、形部一平が担当。声の出演は寺島拓篤、中島愛、岡本信彦、入野自由、伊藤かな恵ほか。男女ともに支持されそうな作品だが、メイド隊の活躍にも注目だ。

　故郷の村を後にして、東京で平穏な大学生活を送る匡平(きょうへい)。密かに想いを寄せていた同じ学部の女子学生・史場日々乃(しば ひびの)に告白しようとしていた。だが、いよいよ告白しようと2人きりになったところで、何者かに惨殺された遺体を発見してしまう。さらに、帰宅途中、正体不明の何かに襲われる匡平。そこに、故郷から案山子(かかし)と呼ばれる奇妙な人形を操る妹の詩緒(うたお)が訪ねてくる…‥。
 

　やまむらはじめによる同名コミックが原作。案山子を神として祀る閉鎖的な村に端を発した物語で、かつて村に惨劇をもたらし、幽閉された匡平の幼なじみが、村を脱走した事で、匡平の平穏な都会暮らしが破られる。
　案山子にはビーム光線(?)を出したり、空を飛んだりと、様々なタイプがあり、案山子同士の派手なバトルが見所。匡平の想い人である日々乃、兄の匡平を慕う妹・詩緒という、ヒロイン2人と、女心に疎い匡平の関係にも注目だ。

　30歳の独身男ダイキチは、祖父の葬儀で見知らぬ6歳の女の子・りんと出会う。実は祖父の隠し子であることが分かり、驚愕するダイキチ。親戚達はりんを引き取る話し合いをしているが、その実は互いに責任を押しつけ合っているだけ。見兼ねたダイキチは、勢い余ってりんを引き取ることを宣言するのだが……。
 

　独身男性が、女の子の子育てに奮闘する姿や、2人が次第に家族になっていく様子を柔らかなタッチで描く、宇仁田ゆみの同名コミックが原作。アニメ化は「東のエデン」や「君に届け」を手掛けるプロダクションI.Gが担当。
　設定としては重い話で、ダイキチの苦労や、りんの心の痛みもキッチリ描かれるが、同時にそれを乗り越える事で得られる幸せも原作では描かれており、アニメ版も癒されつつ、家族の大切さを実感できる作品になりそう。
　絵柄としては萌え系ではないが、しっかりしつつも可愛い6歳児・りんに、メロメロになる視聴者続出の予感。日々の生活の様子が細やかかつ、丁寧な映像で描かれる事を期待したい。なお、8月には松山ケンイチ×芦田愛菜で実写映画も公開予定となっている。

： フジテレビ/関西テレビ/
　東海テレビ/BSフジ

　交わるはずのなかったふたつの運命。彼らが出会ったとき、世界は音を立てて崩れはじめる。すべてが約束されたエリートとして生まれた紫苑。12歳の誕生日、彼は偶然、部屋に転がり込んできた少年を助ける。翌日、ネズミと名乗ったその少年は、まるで幻のように姿を消した。だが、その出会いは紫苑の心にずっと残り続けていた……。
　そして4年後。紫苑の身の回りで次々と起こる奇怪な事件。宿主の身体を一気に老化させる謎の寄生バチ、二度と生きては外に出られないと言われる矯正施設の存在、そして次第に明らかになる“聖都市”の本当の姿……。友情というにはあまりに激しく、宿命というにはあまりに切ないふたりの物語が、静かに幕を開ける。
　少年は、窓を開け放つ。おのれの内なる“呼び声”が導くままに。その先に何が待っているかも知らないままに……。
 

　フジテレビ「ノイタミナ」枠の新作。「バッテリー」のあさのあつこが手がける近未来SF小説が原作。“聖都市”の別名を持つ理想都市「NO.6」で、エリートとして育てられた16歳の少年・紫苑(シオン)と、NO.6の外に広がるスラム地区「西ブロック」に住むミステリアスな少年・ネズミ。2人の出会いと成長、そして襲い来る過酷な運命を描いた作品だ。
　アニメ化を手がけるスタジオはボンズ。骨太なストーリーと重厚な世界観に加え、アクションの爽快さなど、映像面のクオリティにも期待大。監督には「機動戦士ガンダム00」で助監督を務めた長崎健司。シリーズ構成は「とある科学の超電磁砲」の水上清資が担当。キャラクター原案・コンセプトデザインには、人気のイラストレーター(最近は漫画も描いている)toi8が起用されている。

　古くから湖への信仰が残る風光明媚な町にある浮島神社。神社の巫女である更衣小夜は、神主である父親と2人で暮らしている。小夜は私立・三荊(さんばら)学園に通う高校2年生でもあり、普段はクラスメイト達と学園生活をめいいっぱい楽しんでいる。
　その一方で、父の命を受け、ある務めを果たしていた。それは「古きもの」と呼ばれる、人を遥かに凌ぐ力を持ち、人を喰らうモノを狩ること。
　古きものを唯一倒す事ができる小夜は、人を守るため、大好きな父親のため、神社に伝わる御神刀を手に独り戦う。果たして彼女を待ち受ける運命とは!?
 

　アニメにおけるデジタル制作や3DCG活用の走りとも言える、Production I.Gの「BLOOD THE LAST VAMPIRE」(2000年)を皮切りに、テレビアニメ「BLOOD+」や、実写映画の「LAST BLOOD」など、メディアミックス展開を続けてきた「BLOOD」シリーズ最新作。
　最大の特徴は、CLAMPとコラボレーションしている事で、ストーリーやキャラクター原案もCLAMPが担当。シリーズ構成をCLAMPの大川七瀬、脚本を大川と「BLOOD+」の藤咲淳が共同で担当している。
　監督は「xxxHOLiC」や「ジャングルはいつもハレのちグゥ」、最近では「侵略!イカ娘」で知られる水島努。アニメーション製作はもちろんProduction I.Gだ。
　「セーラー服の少女が化物を日本刀でぶった斬る」というBLOODシリーズの基本設定は共通しているが、これまでのシリーズとはかなり違った雰囲気の作品になる予感。

　宮阪高校1年生・鉄大兎。自分は人生の主役で、頑張れば報われるなんて幻想は、もう信じていない。彼の毎日は、ずっと平凡に消費されると思っていた。でも彼は忘れていた。"彼女"の笑顔。交わした"約束"。血肉に溶けた"呪い"を。
　9年前、まだ幼かった大兎は、人外の少女「最古の魔女(ヴァンパイア)」サイトヒメアと出会い、彼女とある"約束"を交わしていた。そのために、ヒメアは78,840時間という、気の遠くなるほどの長い年月、囚われの身となり続けていたのだ。そして大兎がヒメアの記憶を失くし、平凡に堕ちている間も、ヒメアを巡るいくつもの陰謀が蠢いていた。
　そして今、平凡な毎日を破壊する者たちが次々と大兎の前に姿を現す。そして大兎はヒメアとの"約束"を思い出す。死よりも重い、その"約束"を、もう二度と違えないために、彼は想像を絶する戦いに足を踏み入れていく!
 
 

　鏡貴也のライトノベルが原作。強力な魔力を持つ少女・サイトヒメアと約束を交わし、彼女を守るために戦う少年・大兎という比較的オーソドックスな物語だが、共に戦う仲間や敵に個性的なキャラクターが多いのが特徴。特に、双子の弟を殺すために努力を重ね、文武両道に秀でた生徒会長・月光と、そんな兄を“悪魔に食わせる”と言い残して姿を消した弟・日向の物語に注目。繰り広げられるバトルアクションも迫力のあるものになりそうだ。
　シリアスな設定ではあるが、大兎を熱烈に愛するヒメアや、月光にキスされる事で能力を発揮できる悪魔・美雷など可愛いキャラクターも登場。PVなど見るに、サービスシーンにも期待できそうだ。

　乳こそ、この世の理(ことわり)。豊乳は富であり絶対、貧乳は人にあらず。
　時は太平江戸時代。徳川幕府の治める理不尽の治世。幕府の中にあり、政治を支え、刺客を操り、奥の豊乳を育む絶大な権力集団があった。その名は“魔乳一族”。魔乳流の剣技は体を抜け、乳を断ち、門外不出の秘伝書には、豊乳美乳を育むための古今東西あらゆる術が記されているという。そんな乳が全てを支配する時代。魔乳一族の頭首の末子として生を受けた少女・千房は、一族が作り上げた理不尽な世を正すため、豊かな乳房を震わせて必殺の剣を振るう! 究極の美少女アクション“おっぱい”絵巻、ここに開幕!!
 
 

　「豊かな胸こそが全て」という価値観が浸透した江戸時代。乳を断つ事すらできる剣技(つまり胸の豊かさのみを切り、貧乳に変化させる技)を持つとされ、裏社会で暗躍する魔乳一族。そこから抜けだした主人公・千房が、“乳が全て”という価値観を覆すため、世直しの旅を続ける……という、凄い設定の同名コミックがアニメ化。 当然アニメ版もおっぱいにとことんこだわったものになる模様。この「どうかしている感じ」を楽しむのが正しい視聴スタイルと言えよう。
　千房をはじめ、当然豊かな胸を持つ女性キャラクター達が注目ポイントだが、 楓や桜花など、胸が豊かではないものの、胸が全てという社会の中で健気に頑張る女性キャラも魅力的。また、個人的には三重藩藩主でありながら、史上最強のおっぱい探求家である三重鳩宗というキャラクターが大のお気に入り。一見ただの変態おっさんだが、彼の男、いや“漢っぷり”にも注目して欲しい。 コメディ寄りの設定ではあるが、ストーリーはかなりシッカリしており、男女問わず楽しめる作品でもある。

　かつて所領の半分を一冊の稀覯本と引き替えにしたほどの好事家であり、蒐書狂の祖父は、古ぼけた屋敷と、そこに納められた蔵書の全てを青年ヒューイに残した。条件は一つだけ、「書架」を引き継げ……と。
　遺品整理に屋敷を訪れたヒューイは、うずたかく本の積まれた地下室で、静かに本を読む少女・ダリアンと出会う。漆黒のドレスに身を包んだ少女は、胸に大きな錠前を隠し持っていた。それこそが、禁断の“幻書”を納める“ダンタリアンの書架”への入り口、悪魔の叡智への扉だった……。

　

　三雲岳斗のライトノベルを原作としたテレビアニメ。ふさわしくない者が手にすると、恐ろしい事態を引き起こす“幻書”によって発生する事件を、ヒューイとダリアンが解決していくのが基本的な展開。タイトルの「ダンタリアンの書架」は、この“幻書”を封印するための図書館を意味しており、謎の少女ダリアンの胸にある錠前をヒューイが持つ鍵で開くことで、その図書館の扉が開かれる。
　最大の見所は、愛らしい外観とは裏腹に傍若無人で毒舌家、食い意地が張って、それでも憎めないダリアンと、そんな彼女に手を焼きながらも行動を共にするヒューイの コンビ。映像化を担当するのはお馴染みGAINAX。PVを見るに、ダリアンの顔が若干原作のイメージと違う気がするが、隙あらば 画面端で揚げパンをかじっているような、彼女の可愛らしさがアニメでも発揮される事に期待したい。
 

　ペンギンのようなキャラクターの顔が表示される公式サイトには、スタッフ情報が書かれているのみで、ストーリー解説やキャラクター紹介などのコンテンツは無し。後は「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」、「僕の愛も、君の罰も、すべて分けあうんだ」といったキャッチコピーがランダムに表示されるだけ。TVCMも流れているが、ペンギンが高速回転して魚を拾い食いするなど、よくわからず、謎に包まれた作品。6月29日に更新され、公式サイトにTVスポットと放送時間が追加された。
　

　よくわからないのでスルー……するわけにはいかない、今期のダークホース。監督は幾原邦彦。「美少女戦士セーラームーン」のシリーズディレクターとして活躍し、名作「少女革命ウテナ」を手がけるなど、昔からのアニメファンには超お馴染みの人物だが、監督としては「輪るピングドラム」が実に12年ぶり。注目しないわけにはいかない。キャラクター原案は「おとめ妖怪 ざくろ」などで知られる星野リリィ。アニメーション制作はブレインズ・ベース。