豊田通商、インドネシアで製粉事業に参入
豊田通商は5日、インドネシアで製粉事業に参入すると発表した。現地やマレーシアの食品大手と合弁で製粉会社を設立。ジャカルタ近郊に工場を建設する。投資総額は約52億円。インドネシアは経済成長や人口増加に伴い小麦粉の需要が拡大すると判断。追加投資も計画しており、5年後に20%の市場シェア獲得を目指す。
合弁会社は年内に設立し、2012年に工場建設に着手する。本格生産は13年からで、1日当たり1500トンの製粉能力を確保する。すでにインドネシア政府から製粉業の認可を取得した。
合弁相手はインドネシアのFKSキャピタルと、マレーシアのマライアンフラワーミル(MFM)で、いずれも大手食品グループ。FKSが40%、豊田通商とMFMは30%ずつ出資する。
経済成長の続くインドネシアでは小麦粉の需要が伸びており、将来はアジア最大の小麦輸入国になる見通しという。豊田通商は原料となる小麦を米国やオーストラリアなどから調達。新設する合弁会社に納入する。小麦粉を加工したパンや麺などの取り扱いも強化する考えで、川上から川下まで関連事業を展開する。市場動向をみながら追加投資で製粉能力を高める。
豊田通商は自動車関連以外の事業を強化しており、今回の投資もその一環。MFMとは昨年、マレーシアで飼料・原料の販売会社を合弁で設立するなど、近年は食品事業に相次ぎ投資している。
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