草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

新左翼のイデオローグ荒岱介の死と保守派の時代の到来

2011年05月04日 | 思想家

 共産主義者同盟旧戦旗日向派の荒岱介が去る3日死去した。三里塚闘争や東大安田講堂占拠事件では、実刑判決を受け3年余り獄中にあった。晩年になってはもっぱら環境保護運動に力を尽くした。吉本隆明あたりを絶対視していた身としては、荒の思想に影響を受けたことはなかったが、彼の転向の書と目される『環境革命の世紀へ・ゼロ成長社会への転換』だけは目を通した。1989年のベルリンの壁の崩壊や、ソ連邦の崩壊を目のあたりにして、マルクス主義からの決別を宣言したのだった。「ナチズムやスターリン主義という二つの全体主義に抗しつつ、なおかつ資本主義社会での圧倒的な貧富の差の存在という矛盾に異を唱えんとするものは、一体どう考えていけばよいのか」という問いを、自らに突きつけたのである。プロレタリア軍団を率いていた大田竜が日本に回帰したように、さかしらな心を排斥し、物質万能主義ではない精神文化に触れる一歩手前ではなかったかと思う。三島由紀夫ではないが、日本の新左翼の運動を一定程度評価することはやぶさかではない。国家たりえなかった戦後日本の負の部分であり、それ以外のイデオロギーは準備されていなかったからだ。しかし、今の時代の変革の原理は保守派であり、日本という国家が蘇えりつつある。荒の死によって、新左翼のイデオローグが、また一人姿を消したということなのである。  

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1 コメント

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Unknown (ファン)
2011-05-04 14:36:44
原爆被害は、
5、10,20後に出るのです。
それも次の世代にまで。
自分の子供が不妊、
白血病で40歳で死亡とか
甲状腺の病気で結婚もできずに
闘病生活など、
これも広島の原爆の真実です。
放射能の影響は、
広島市だけにとどまらないのです。

枝野の言うようにただちに問題はないのですが、長年にわたって周辺住民の健康をむしばみ、子供、孫と何世代にもわたって苦しめています。広島、長崎の原爆の悪影響はいまだ、生きている人を病気にしたりして苦しめている。終わりの見えない戦いなのです。
これは、民主党、管直人によって福島に原爆が落とされことと同じ意味を持ちます。大変なことが起きているのです。
負けないでこれからも
なるべく健康に生きる道を選んでください。

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