佐賀県知事「安全性はクリア」 玄海原発、県議会焦点に
九州電力玄海原子力発電所2、3号機の再稼働問題で、海江田万里経済産業相と会談した佐賀県の古川康知事は29日午後に記者会見し、経産相の説明に一定の理解を示した。懸案としていた中部電力浜岡原発の停止理由について「危ないところは政治が止める、安全なところは政治が動かすという言葉をいただいた。浜岡と玄海の違いについては理解できた」と述べた。県議会の議論を踏まえて最終的に判断する考えで、再稼働を容認する可能性が高まった。
ただ、海江田経産相と菅直人首相の間で再起動に向けた認識が一致しているかどうかに疑問を呈した。「総理がどうお考えかは、再起動が本当に必要かを判断する重要な問題」として、菅首相が再起動に関して何らかの見解を示すことを強く求めた。
古川知事は再稼働の条件として(1)安全性の確認(2)県議会の議論(3)立地町の意向――を挙げていた。今回、浜岡原発の停止理由が理解できたことで(1)については「クリアできた」と話した。(3)については玄海町の岸本英雄町長が再稼働容認の姿勢を示しており、残るは県議会の意向だけとなる。ただ古川知事は「一番大きな1つだ」と述べ、議会の疑問の解消には一定の時間がかかるとの見方を示した。