「死をタブー視せず、生前から死と向き合う人が増える中、東日本大震災を機に日本人の葬儀観が変わってきている」という。5日付産経新聞が「変わる葬儀観 親と子、夫婦間の絆を深める」という記事で伝えている。

同紙は専門家の話として、「震災から間もない頃、葬式ができる幸せということが言われた。『死者を弔う』という葬儀本来の目的に光が当てられ、きちんと故人と別れ、きちんと見送るという原点回帰の方向に向かっている」などと伝えている。

震災以前は「葬儀不要論」などが声高に言われていたが、震災を経て、「必要」という風潮に変わりつつある。「家族の絆」が深まってきていることも、良い傾向だ。

だが、記事中には葬祭業者や「葬祭ディレクター」という名称は出てくるが、宗教者、僧侶の存在が出てこないのが、やや気になる。

すでに伝統仏教は「死者の慰霊・鎮魂」という宗教本来の役割を果たせなくなっているため、形だけの葬儀になっているのだろう。そのため、「雰囲気」や「環境」を提供する葬祭業者の役割のほうが重くなっているとすれば、宗教者としては寂しい限りだ。

しかし、本来の「慰霊・鎮魂」は、「死者の魂をきちんとあの世に送り届ける」(引導を渡す)ことにある。それが宗教が歴史上、連綿と存在してきた大きな理由なのだ。伝統仏教そのものが、すでに「葬式仏教」としても存在意義が無くなってきているとすれば、心を謙虚にして、現代の宗教者に最も必要な霊的世界観を説く「再誕の仏陀の教え」に耳を傾ける時ではないだろうか。(仁)

【参考URL】

「誤解だらけの慰霊・鎮魂――震災犠牲者の霊は今どうなっているのか?」はこちら

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2936

幸福の科学式葬儀の「来世幸福セレモニー」はこちら

http://www.raise-kofuku.jp/