Exif データ

iPhoto で写真->詳細写真情報とすると写真に関する様々な情報が表示される。写真のサイズや、撮影時間、カメラのメーカー、機種、撮影条件などが別のウィンドウに表示される。

写真の作例などを見ると、シャッタースピードや、絞り、ISO 値などが書かれている事が多いが、いちいちメモしている訳ではなく、この情報をもとにしているのだろう。

露出のセクションには、D90 の場合、シャッター速度、絞り、最大絞り、露出バイアス、露出、露出指数、焦点距離、距離、センサー方式、光源、フラッシュ、測光方式、明度、ISO 感度といった情報が含まれる。カメラが変わると表示される情報の種類も変わるようだし、中には値の入っていないものもある。天気や、場所といった外部の情報は無理だが、これもコメントを手動で入れる事は不可能ではない。

シャッター速度、絞り、焦点距離、フラッシュの情報から、およそ、どのようなカメラの条件で撮影したものかがわかる。ほとんどが AUTO の撮影で撮ったものなので、カメラがそれぞれの状況で、どのようにこれらのパラメータを調整したかという情報とも言える。

風景や、建築物、室内など、様々な条件はあるが、シャッタースピードに関しては昼間であれば数百分の1秒から、60分の1秒の範囲を変動している。これが夜間になると20分の1より長くなり、0.6、時には1秒を超えるようになっている事がわかる。また、暗くなるにつれ、ISO 値は大きめに撮る場合も出てくるし、絞りは解放気味にして、シャッタースピードを稼ぐように働いている事が見て取れる。

最大絞りというのは、ある焦点距離での絞り解放時のF値。18-105mm f/3.5-5.6 であれば、焦点距離 18mm で 3.5, 105mm で 5.6 となる。これに、意味があるのかは分からないが、いろいろな焦点距離で、最大絞りをプロットすると、焦点距離に対するレンズの F値の特性がわかる。簡単にやってみると、リニアという訳ではなく、徐々になだらかな変化になる。70mm 位で、F5.5 になり、そこからは少しなだらかになる。

ここで、ほかのカメラで撮った映像が気になり、何枚か確認してみる。


Panasonic DMC-FX30:
2304x3072
シャッター:可変 1/250, 1/30 など
絞り: 可変 f/3.7, f/5.0 など
最大絞り: f/2.8
焦点距離: 可変 4.6mm 7.9mm 16.4mm など
ISO感度: 可変 100, 250, 640 など


iPhone 3G:
製造元、機種、ソフトウェア: Apple, iPhone, 3.1 など
1600x1200
絞り: f/2.8
iPhone で撮ったものでも情報がないものが見られたが、これはアプリで撮った場合かも。


iPhone 3GS:
製造元、機種、ソフトウェア: Apple, iPhone 3GS, 3.1 など
2048x1536
シャッター: 可変 1/15, 1/1903 など
絞り: f/2.8
焦点距離: 3.85mm
ISO感度: 可変 70, 482, 505, 843, 1016 など


iPhone 4:
製造元、機種、ソフトウェア: Apple, iPhone, 4.0 4.0.1 4.1
2592x1936 pixel
シャッター: 可変 1/15, 1/17, 1/241, 1/2514, 1/2742 など
絞り: f/2.4 f/2.8(iOS 4.1)
焦点距離: 3.85mm
測光方式: スポット 平均
ISO感度: 可変 80, 125, 250, 320, 640, 1000 など
iPhone4 ではレンズが f/2.4 になって、少し明るくなったという事だったが、iOS 4.1 にしてから なぜかf/2.8 になっている。小さいカメラの場合には、焦点距離はそのままの数値はレンズの物理的サイズに依存するらしいが、35mm 換算でやく32mm に相当するらしく、少し広角という事らしい。光学ズームはないので、当然固定。

これらの情報に加えて、GPS の位置情報も入ってくる事がある。


この種の情報は Exif という規格によるもので、現在 2.2, 2.2.1 あたりのバージョン。Mac OS X 付属の Preview でも Exif の情報は表示でき、表記やカテゴライズが iPhoto とは異なるが、ツール -> インスペクタ、または Mac ではおなじみの Command + I で表示できる。

Exif 関連の情報を探していると、とあるツールにたどり着いた。exiftool という、コマンドラインで実行するもの。Perl で書かれているので、いろいろな環境で実行できる。

http://www.sno.phy.queensu.ca/~phil/exiftool/

覚えたての、AppleScriptiPhoto から、Exif 情報を拾って来れるのではと試してみたが、画像サイズや、時間など、ごく基本的なものしか取得できないようで、残念。多くの写真に関して、パラメータ情報などを一括して取得して、まとめられないかという事を考えていたのだけれど、exiftool を使えばできるだろう。GUI ツールで見ていてもわかったが、焦点距離に関しては圧倒的に広角側、望遠側の端っこを使っている事が多く、これらの間を有効に使えていない事に少し幻滅。

シャッタースピードや絞りの調整で、特定の効果が出せる事はわかってきたが、これは絵が明るい場合にはいろいろ試せるのだが、周囲に光が少ないと、シャッタースピードをいかに確保するかという問題が出てくる。

一般的に「1/焦点距離」のシャッタースピードならば手ぶれをしない数値と言う目安があるようで、


18mm = 1/18
105mm = 1/105
200mm = 1/200


DXフォーマット(APS-C)の場合、焦点距離がx1.5の計算になり


18mm = 1/27
105mm = 1/157.5
200mm = 1/300


APS-C は昔からの 35mm よりコンパクトで扱いやすい APS のフィルムの規格をベースにした、少しフィルムの小さい規格に従ったデジタルカメラの規格で、システムの小型化ができるため、現在 DSLR では主流。35mm 互換もない事はないらしい(D3 ?)が、これは 35mm の銀塩との互換が必要な場合に限られ、システムも大きく、重くなる傾向がある。

iPhone なら限界のシャッタースピードは 1/32 といった所か。確かに、夜や、暗い室内では 1/15 まで落ちているので、そのような条件の写真は残念なものが多い。無料のアプリで Exif & IPTC Metadata Browser というものがあり、これでカメラロールの写真(インポートしたものも含む)の Exif 情報が表示できる。シャッタースピードExif/ExposureTime にある。残念なのは普通の浮動小数点表記なので、何分の1というのがわかりづらい所。1/32 は 0.03125 なので、この数字は覚えておくと良いかも。最初の起動時に位置情報へのアクセスを確認してくる。これを許可しないと、なぜかカメラロールにアクセスできないけど、そういうものなのか?

三脚についても少し調べてみた。軽く、扱いやすいという所で SLIK Pro 200 といったものの周辺がお手頃のようだった。素材は A.M.T. (アルミ、マグネシウム、チタン)ということだが、評判は今ひとつよくなく、少し価格帯はあがるが、カーボン製の SLIKカーボンマスター 723 PRO といったあたりにしておくのがいいかもしれない。少々軽いものでもかさばる事には変わりなく、すこし軽く、安くなっても、安定性が損なわれるのであれば、しっかりしたものにしておいた方が良さそうだ。