「自分の気持ちは自分が一番よくわかっている」と思いがちですが、実はそうとも限りません。激しく湧き上がった感情を、何の疑いもなく自分の都合のいいように解釈することも、往々にしてあること。 一般的に、あまりいいことではないかもしれませんが、ときには、このメカニズムが他人とのよりよい絆づくりに役立つそうです。

作家のDavid McRaney氏は、ブログメディア「You Are Not So Smart」で、ある研究結果を採り上げながら、このテーマについて詳しく述べています。

 そもそも、ヒトは刺激を受けると注意深くなり、興奮しやすくなります。これは、楽しすぎて舞い上がっているときでも、恐怖におののいているときでも同じ。しかも、この感情は後々も残り、自分の行動に影響を与えることすらあるそうです。

では、これが強い関係構築にどのように使えるというのでしょうか?

2008年、米ノースカロライナ大学(University of North Carolina)の心理学者ジェームス・グラハム(James Graham)氏は、「どんな活動がパートナーの絆を深めるか?」について実験。20組の同居カップルに、日常的な活動をやっている間、デジタルデバイスを持たせ、何かやるごとに研究チームにテキストメッセージで報告させました。研究チームは、被験者から報告を受けると、そのときの気分やパートナーに対する感情などについて、いくつか質問したそうです。

このような方法でやりとりされたテキストメッセージを詳しく分析したところ、日常的に難しいタスクへ一緒に取り組むカップルは、互いをより好きだと感じていることがわかったとか。一緒に定期的に難しいことに挑戦すると、この刺激による興奮から、相手をより近く感じ、より惹かれ、愛し合うようになるとみられています。単に時間を共に過ごすだけでなく、イライラさせられる挑戦に臨み、これを乗り越えることで互いの絆が深まるようですね。

最近マンネリ感が気になるご夫婦やカップルの方々は、ときには一緒に日曜大工や山登りなど、ちょっとした「試練」に臨んでみてはいかがでしょう? 今まで気がつかなかった相手の意外な魅力を再発見でき、互いに相手を思いやる気持ちが精神的な距離を縮め、絆を深めるいいきっかけになるかも!?

Misattribution of Arousal | You Are Not So Smart

Adam Dachis(原文/訳:松岡由希子)