<巨人1-3ヤクルト>◇21日◇東京ドーム

 巨人は一矢を報いるのが、やっとだった。ヤクルト先発増渕に8回まで5安打で、三塁すら踏めなかった。完封負け寸前の9回2死で4番高橋由伸外野手(36)が10号ソロを放ったものの、反撃はそこまで。連勝は2で止まり、01年から続いていたヤクルト戦の勝ち越しが消滅した。3連勝なら首位と3ゲーム差まで縮めることができたものの、原辰徳監督(53)は「チャンスではあったけれども、今日に関しては力及ばずというところですね。非常に緩急をつけた、いいピッチングをされたと思います」と冷静に振り返った。

 攻略の糸口をつかみかけては、ミスで手放す格好となった。2回1死一塁ではエンドランをかけるも、亀井が2ボール1ストライクから空振り。6回1死一塁ではフルカウントからのランエンドヒットで高橋由が見逃し三振。貴重な走者は、いずれも盗塁死になった。岡崎ヘッドコーチは「由伸はボールと思って見逃したけど、ストライクなわけだからね。亀井はバットに当たらないようなボールではなかった」と指摘し、原監督も「前半のああいうところも、敗因の1つではあるでしょう」。ミスをしても勝てるほど、この日の増渕は甘くなかった。

 明日23日からは阪神3連戦が控える。2戦連続で先発落ちした主砲ラミレスについて、原監督は「リフレッシュというか、全てにおいて、来週からはいい形でスターティングメンバーに名を連ねるでしょう」と先発復帰を示唆した。残りは46試合。混戦になりつつあるペナントレースで取り残されないためにも、本拠地での「伝統の一戦」が今後を占うターニングポイントになるかもしれない。【浜本卓也】