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ソーシャル業界に新風 機能絞りフェイスブックに挑戦

編集委員 小柳建彦

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米国勢のフェイスブック(FB)、ツイッター、リンクトインの主要3サービスに集約されつつあったソーシャル業界に、新しい切り口のサービスが登場している。主要サービスが汎用的なプラットフォームとして会員数が億単位で膨れ上がり、より特徴のある用途に対するニーズが高まってきたことが背景にある。そこを突いてくる新興勢力に対し、既存主要サービス側も機能追加で応酬する構図が生まれつつある。FBが王者というネット業界の構図は一瞬も安定しない。

日本発世界向けの新サービスとして7月に登場したのがKLab(東京・港、真田哲弥社長)の「Cheerz(チアーズ)」。特定のウェブサイトやウェブページを見ている者同士がチャットでコミュニケーションできる仕組み。いわば、即時使い切り型のソーシャル・ネットワークだ。あらゆるウェブサイトにソーシャル・ネットワークの薄皮(レイヤー)を付加してコミュニケーションの場に転換できることから、「ソーシャル・レイヤー・サービス」と同社では呼んでいる。

FBやツイッター、ミクシィなどの利用窓をウェブサイト上に埋め込む利用形態はすでに普及している。ただ、利用者がそれらの交流サイト(SNS)の機能を利用しようとすると、もともと見ていたサイトを離れて、それらSNSのサイトに移動してしまうという問題がある。サイト上の情報を共通のネタにコミュニケーションしようとしていた利用者にとっては用途がズレてしまう。サイト側はトラフィックがSNS側に奪われる格好になり、メリットが薄れる。

チアーズを利用すれば、利用者はサイトに滞在し続けながら、利用者同士のコミュニケーションが可能。サイト側にとっては利用者の滞在時間をのばせる。特定のウェブページにアクセスしているチアーズ利用者向けに広告配信も可能で、新種の広告媒体としても育つ可能性がありそうだ。

チアーズは当初英語でα版をリリース、今回は日本語でβ版公開した。「今後は再び英語のインターフェースを追加して世界向けのサービスに育てたい」(真田社長)と意気込んでいる。

米国でもインスタントSNSが登場している。位置情報を利用して物理的に近くにいる人と即席で写真や動画を交換したりチャットしたりできる「カラー」だ。iPhone(アイフォーン)やアンドロイド向けのアプリとしてサービスを広げている。

運営会社のカラー・ラブズ(米カリフォルニア州)には、サービス開始前にもかかわらずグーグルを育てた有力ベンチャーキャピタル(VC)、セコイア・キャピタルが投資して話題になった。

FBなどのSNSでは「ともだち」になった瞬間に登録している個人情報をすべて共有することになる。また、一度「ともだち」になった人を除外すると反感を持たれることがあり、なかなか実行できない。ウェブサイトや物理的な位置を共有する人々と個人情報抜きでその場限りのつながりを成立させるこれらのインスタントSNSは今後、ソーシャル系サービスの新たな分野として成立する可能性がある。

 世界で最も著名なVCであるクライナー・パーキンズ・コーフィールド&バイヤーズ(KPCB)が今春投資して話題になった新興SNSが、Path(パス=米カリフォルニア州)だ。共同創業者で最高経営責任者(CEO)のデイブ・モリンは元FB幹部。音楽ファイル交換サービスで一世を風びしたナップスターを作ったショーン・ファニングと共同創業した。株主にはセールスフォース・ドットコムCEOのマーク・ベニオフ氏が個人として、日本のデジタルガレージが会社として名を連ねる。KPCBとVC投資のリード役を分け合うインデックス・ベンチャーズは、元シスコシステムズ幹部のパートナー、マイク・ボルピを取締役に送り込んでいる。シリコンバレーのオールスター・キャストといった布陣だ。

パスの特徴は利用者が登録できる「ともだち」が50人限定であることと、写真の共有を主な用途に想定していること。50人限定にしたのは、人間がある時点で親しい関係として交流できる人数が50~60人であるとする進化人類学者ロビン・ダンバーの学説にヒントを得た。逆に言うと、厳選した50人に対しては、ほぼ気兼ねなくどんな情報でも共有できるはず。「普通の世間付き合いはFBで。親しい者同士のネットワークはパスで」といった特徴付けが可能になる。

1つのサービスでいくつものグループ分けを可能にして利用者を急増させているのが巨人グーグルが6月末に試験版投入した「Google+(グーグルプラス)」だ。開始後数週間で数千万人の登録利用者を集めて注目度が増している。相手に知られずに、「ともだち」を「サークル」と呼ぶ集団に分類し、各サークルごとに共有する情報を使い分けられる仕組み。「ともだち」や「フォロアー」が数百人、数千人といった単位にふくらんでしまった利用者にとって、待望の機能といえる。日本のミクシィには以前からあった機能で、FBにもグループ作りの機能があるが、プラスはより簡便にグルーピングできるのが特徴だ。これまで何度もソーシャル系サービスを立ち上げながら挫折を繰り返してきたグーグルにとって、今度こそ普及に成功するかもしれないサービスとして注目される。

やはりKPCBの投資先として名を知られるようになったKatango(カタンゴ=米カリフォルニア州)は、既存のSNSの「ともだち」を自動的に分類してくれるアプリを提供する。そしてそれらのグループ別に共有情報を発信できる。

迎え撃つFBやツイッターももちろん手をこまねいてはいられない。グループ分け機能の強化や写真共有の使い勝手向上に、企業買収を含めて策を打ち出しつつある。

グーグルがIT産業の頂点に立ってからたったの数年でその地位が危うくなったのは記憶に新しい。利用者数やウェブ閲覧数などの数字でFBは今や世界の頂点に立ったが、その地位がいつまで続くか、全く保証はない。雨後のたけのこのように独自の切り口で生まれてくる新興ソーシャル系サービスをみると、ネット業界の勢力図はまさしく「一寸先は闇」であることが分かる。

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