「ガガ〜ン!」

少女が激しくギターをかき鳴らし、音が響き渡ると、辺りの皆が集まり、イカしたメロディに合わせて踊り出す……!
遠くで見ていたおじさんもノリノリでエアギターなんか披露しちゃったりなんかして……なんだ!? とっても楽しいぞ!

女の子に大人気のアニメ「スイートプリキュア♪」の新キャラクター、
「キュアビート」と共に登場した新アイテム、
ラブギターロッドのCMである。
「プリキュア」とは、女の子が「伝説の戦士」に変身して悪と戦うアニメシリーズで、「スイートプリキュア♪」は現在放映中の最新作。
先々週登場したキュアビートという新キャラの武器「ラブギターロッド」のCMが楽しすぎるのだ。

ビート役の女の子やバックダンサーの動きもキレがよく、カッコいいBGMも相まって、まるでマイケル・ジャクソンのショート・フィルムのよう。

もちろん本体もすごい。その名の通りギターの形をしており、ハートがあしらってあったりと非常にラブリーでありながら、ブルーやシルバーの配色が妙にカッコよく、男心をくすぐるデザイン。
ボディの内側にある羽根はシャキン! と飛び出し、ボディをネックの方にスライドさせるとギターモードからステッキのようなロッドモードにチェンジ。思わず振り回したくなるカッコよさ。


CMを観てたまらなくなった俺はキュアビートがこれを手にした日に早速購入。

まずは箱から出して電池を入れ、説明書も読まずにスイッチオン! すると……
「ガガ〜ン!」
と、CMと同じサウンドが!一気にテンションが上がる! この感覚はそう、初めてエレキギターを触った時の興奮だ!
続いてキュアビートの
「弾き鳴らせ、愛の魂!ラブギターロッド!!」
というセリフが再生され、気分は最高にビートアップ!

弦を模した部分、いやもういっそ弦と呼ぼう、弦を弾くとまたもや
「ガガ〜ン!」
うーん、気持ちがいい……。サイズのわりに音質もいいぞ。

ネック部分にあるボタンを「うおおおお!」と押せば、エレキギターのアームプレイさながら
「ギュィイーーーン!」
というサウンドが鳴り、ギターっぽさはMAX!(←ギターをなめている)
さらにボタンを押していると「曲演奏モード!」とキュアビートの声と共にリズムサウンドが流れはじめ、いよいよライブ感覚である。

自分に酔いしれながら一曲演り終えた俺は、冷めた目で俺を見ていた友人にギターを渡し、ここで初めてマニュアルを読む。
ボタンを長押ししたり連続で弦を弾くことでプレイモードが変わったりするようだ。


ギターを手にした友人を見ると、バック・トゥ・ザ・フューチャーの主人公がパーティー会場でエレキギターをかき鳴らしまくってドン引きされた時みたいな感じになり、しまいには机を蹴っ飛ばし始めたのでそっとギターを取り上げた。

このように手にした人を夢中にさせるこのアイテム、ギターの次は「ロッドモード」に変形させ、握ってみると思った以上の斧っぽさ! 「ゲッターロボ」のトマホークブーメランみたいにブン投げたい!
いや、いくら楽しいとは言え、本来ブン投げるものではない。周りに人や物が無いか、Wiiをプレイする時よりもよく確かめてからキュアビートになりきって振り回そう!付属のフェアリートーンという妖精型アイテムを先端に装着し、必殺技サウンドやボイスを再生する事もできるぞ。

ひと通り遊んだ後、CM映像を再生しながらキュアビートになりきっている女の子になりきってダンスの練習をしていたらあっという間に夜中になった。ダンスに飽きても曲演奏モード、演奏に飽きてもロッドモードで必殺技の練習と、ループすればいくらでも遊んでいられる。単なるおもちゃのギターだったらこうはいかない。


ラブギターロッドを手にしていない時でも、
ZO-3あたりのギターを改造してラブギターロッドにしたい」
「いやスタインバーガーの方が」「いっその事ウォークマンを仕込んで」などとTwitterで盛り上がってしまった。

女の子がギターを弾く作品ならけいおん!が真っ先に思い浮かぶけど、
武器にするとなるとギターケースに銃やバズーカを仕込んでいる「デスペラード」の登場人物達や、
ギター型コントロールスティックで愛機を操る「マクロス7」の熱気バサラと、
男性キャラクターが多い。

そこへ「女の子なのに素手で戦う」のが斬新と言われた初代プリキュアのごとく、「女の子なのにギターで戦う」という斬新さをひっさげて登場したキュアビート。
彼女が扱うラブギターロッドはキュートな女児向けアイテムでありながらも、「ギター」「変形」「武器」と、男のロマンがたっぷり詰まった女児向け玩具の革命児だ。

スイートプリキュア♪本編を観た事がない人でもギターモードで遊べばバンドに憧れていた頃を、ロッドモードで遊べば勇敢な戦士に憧れていた頃を思い出し、胸が熱くなってくる事うけあいだ。
そんな頃は無かったという人も、
「昔はこうやって何も考えずに演(や)ってたっけ……」「昔はこうやってひたすらマンモス狩ってたっけ……」と、
思い出を捏造できる程夢中になれるぞ! もちろんキュアビートになりきってもOKだ!
(芹沢たすく)