そもそも「意志力」とは、いったい何で、どこから来るものなのでしょう?誘惑を断ち切るときに、私たちの心の中では何が起こっているのでしょう?

その解のひとつとして、興味深い研究結果があります。

ヒトの意志力に関する研究「マシュマロテスト」というもので、なかなか示唆に富んだものです。

1960年代、米コロンビア大学の心理学者Walter Mischelさんは、部屋のテーブルにマシュマロやクッキーを1つ置き、「大人が戻るまで食べずに待っていたら、もうひとつご褒美にあげるよ」と言って、4歳児を部屋に一人残し、行動を観察しました。もちろん、ほとんどの子供は待ちきれず、あっという間にお菓子を食べてしまうのですが、中には20分もそのまま待っている子供もいたそうです。

以下の米メディアABC Newsの動画は、「マシュマロテスト」と同様の実験で、キャンディとともに子供を12分間待たせたとき様子です。

お菓子を食べずに待つ子供たちには、ある共通点が。テーブルから背を向けたり、手で顔を覆ったりしてキャンディから視界をそらそうとしたり、手をたたいたり、指で数を数えたり、簡単な体操をやってみたりと、それぞれの方法で、自分の気を紛らわせているのです。

 

Mischelさんによると、意志力を高める方法は、気晴らし考え方の転換だそうです。

前者は、上の動画にもあるとおり、誘惑の対象から自分の気をそらすことで、誘惑を断ち切るという方法。シンプルですね。

一方、後者は、目先の快楽を長期的な視点で捉えなおすなど、誘惑の対象への考え方を変える方法です。

ヒトは目先の楽しみについ引っ張られがちですが、Mischelさんによると、これは、感情的にこの対象を捉えてしまっているからで、冷静に経験的知識に基づき対象を捉え、考えることができれば、誘惑を断ち切ることができるのだそうです。

もちろん、意志力は、モチベーションや物理的な中毒作用にも影響を受けるものなので、誘惑に対する我慢強さだけだけで語ることはできませんが、気晴らし考え方の転換という2つのコツは、なにかと誘惑の多い世の中で生きる現代人にとっても、有効ですね。

Willpower: A Game Of Strategy [NPR via The Food Times]

Kevin Purdy(原文/松岡由希子)

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