映画やドラマが見放題 米フル、日本で定額ネット配信
【シリコンバレー=奥平和行】米メディア大手のニューズ・コーポレーションやウォルト・ディズニーなどが出資するインターネット動画配信サービス「Hulu(フル)」が日本に進出する。年内に定額制の有料サービスを始める予定だ。米国で人気を集めている有力サービスの上陸は、日本でも動画有料配信市場が拡大するきっかけになる可能性がある。
10日にブログを通じて明らかにした。サービスの詳細は不明だが、パソコンやネット対応テレビ、スマートフォン(高機能携帯電話)などを通じて、人気ハリウッド映画や海外ドラマを提供する見通し。同社にとって海外進出は日本が初めてになる。
フルはニューズなどの出資で2007年に設立、米国で無料サービスの「フル」と有料サービスの「フル・プラス」を提供している。フル・プラスは月額7.99ドル(約610円)で映画やテレビ番組が見放題になり、日本でも同様のサービスを検討しているもようだ。
日本でのサービス開始に向け、東京都内に顧客対応などを担当する拠点を開設した。同社は日本進出について「ハリウッド映画などの分野で未開拓の市場ニーズがあり、ブロードバンド(高速大容量)回線の普及など環境も整っている」としている。
米調査会社のコムスコアによると、米国での6月のフルの視聴者数は2670万人。視聴者数では傘下に動画共有サイトの「ユーチューブ」を抱える米グーグル(約1億4900万人)などに次ぐ9位だったが、広告の視聴回数は10億回超と首位に立っている。