こんにちは。ココロ社です。

先日、『がまんできない人のための忍耐力養成ドリル』を上梓しました。タイトルの通り、取り組むだけで忍耐力が身につくドリルなのですが、このドリルに取り組む忍耐力すらない人のための最後の手段として、「口にしてはいけないフレーズ39」も収録しました。忍耐力のない人も、「これだけは言うな」という「口を閉じるだけの忍耐力」さえ発揮すれば、最悪の事態は回避できます

今回は味わい深い13の言葉を列挙するので、「この言葉だけは発音するまい」と銘記しておいてくださると幸甚です。

 

逆に

言葉の最初が否定から始まる人は嫌われます。「いや、ここについては先日言ったはずで......」「そうではなくて、このケースが適用されるのは......」など、よほど鈍感な人以外はこのようなフレーズで話し始めることはありませんが、それの変形が「逆に」です。

逆の話をしていないのに「逆に」で始めるのは、「いや」「そうではなくて」同様、相手を否定するニュアンスがこめられてしまうので、「逆に」は本当に逆のときにのみ使うのがいいでしょう。


これはジャストアイデアだけど

アイデアはよく考えて出すものです。根拠のない「ジャストアイデア」を提案されても、それが妥当かどうか検討するのに時間がかかってしまいます。特にアイデアマンを自称する上司が部下に対して口にしやすいフレーズでありますが、生産性を下げる言葉の最たるものなので、職場で仕事をしたいと思っている人は使わない方がよいでしょう。


自戒を込めて言いますが

この言葉は、だいたい人を非難したくなったときに使う言葉です。「自分で自分のことを最初に非難しておけば、禊は完了、このあとはお前たちをボロカスに言うからな」という気持ちになり、無駄に攻撃的な言葉を吐いてしまうおそれがあります。自戒は込めない方が緊張感をもって言葉を使えるようになるので、お試しください。


日本では

自分が気に入らないものを批判するとき、よく外国の例を持ち出して(しかも行ったことない国の)、「日本ではこうだけどアメリカではそんなの通用しない」などと言うのはみっともないので、オススメしません。気に入らないことは、あくまでも自分の責任において批判すればよいのです。わかりもしない外国の威を借りて自分の周囲の状況を非難するのは、仕事ができないばかりかモテもしません。


申し訳ありません

「申し訳ありません」は、ほとんどの場合「ありがとうございます」で代用可能です。人はお詫びされるより感謝された方が、自分のしてきたことについて評価されたと感じる生き物なので、謝るくらいなら感謝した方が印象はよくなります。


男は・女は

「男は・女は」は、不用意発言のキング(&クイーン)です。「女は○○だからね」などと言うと、「○○」に当てはまらない男性に「偏見だ」と言われてしまいます。そして、性についての偏見が露わになってしまうと、単に物事のカテゴライズ能力が疑われるにとどまらず、人格そのものが疑われることにもつながるので、危険極まりないです。冷静に考えて、男と女をカテゴライズしないと話が進まないシーンなどないはずなので、口にしないに越したことはありません。


あの人に比べて

人は誰でも自分がこの世で唯一の存在だと思っているので、人と比べてしまうと、人格を否定されたような気持になってしまいます。何か素晴らしいものを引き合いに出したい場合は、「この企画書と比べて」などと言い、人格と人格を比べるのではなく、作ったものとものを比べることをオススメします


最近の○○は

「最近の若者は~」など、最近よくない風潮である旨の発言をする方はあとをたちません。しかし、たとえば「最近の若者は粗暴で~」的な話は、少年犯罪の発生率が減少傾向であることからすると、単に若者への嫉妬から現実が歪んで見えてしまっているにすぎないようです。「最近の○○は」という批判は、自分が嫉妬深い年寄りであると自己紹介しているようなものなので、口にしない方が無難でしょう。


面白い話があるんだけど

相手に期待をさせるような前置きをしてしまうと、そのあとにどんなに面白い話がきても、「期待していたほどに楽しくはなかったな...」と思われてしまうだけです。自分の話をつまらなくするための前置きはやめておくに限ります


俺はいいけど

気に入らない行動を目にしたとき、「俺はいいけど、会社のほかの人が見たらまずいと思うだろうね」など、他人の言葉を借りて人を批判する人がいますが、よくよく考えてみると、「ほかの人」がそれを見たときに「ほかの人」に注意してもらえばいいだけで、本当に「俺はいい」と思っているのなら黙っているべきです。

もし、他人の行為が気に入らないのなら、「俺はいいけど」と物わかりのよいふりをするのではなく、「俺にとって気に入らない」と責任を持って批判した方が、まだ嫌われずにすみます


なんで~なの?

教育が下手な親が子に言う代表的なフレーズは「なんであなたは勉強ができないの?」ですが、そんなの聞かれても答えようがないというのは、質問している人が一番よく知っているはずです。

「なんで~なの?」と聞かれて答えられないような質問は、単なる嫌がらせです。人に質問するときは、自分が本当に相手から答えを引き出したいときのみにしないと、人格を疑われてしまうだけなので、極力口にしないようにすべきです。


以後、気をつけます

「気をつける」というのは、「再発防止のために具体的な施策はしません」という意味なので、お詫びとしては無効です。「以後は~することで再発防止に務めます」など、具体的な言い方をした方が心証がよいです


失礼ですが

「失礼ですが」と前置きしないと言えないような失礼なことは、口にすべきではありません。「失礼ですが」のあとに本当に失礼なフレーズを重ねても、「ああ、最初に『失礼ですが』と言ってくれたから、失礼なのも無理はないね」と許してくれるような人はいません


他にもいろいろ悪魔の言葉はありますが、「黙っていればすむ話」は、徹底的に黙っておきたいところですね。

ココロ社