<中日1-3阪神>◇7日◇ナゴヤドーム

 落合竜が“自滅”で4連勝を逃した。0-0のしのぎ合いで迎えた延長11回、小田幸平捕手(34)、岩瀬仁紀投手(36)の失策などで3点を奪われて敗れた。さすがの落合博満監督(57)も「草野球だよ」と苦笑い。守りのチームらしくない敗北は今後への「良薬」とするしかない。

 守りが信条の落合竜にとっては信じられないような敗北だった。試合後、しばらくして落合監督は苦笑いで会見場にやってきた。

 「10回まではいい試合じゃん。11回は草野球だよ。あり得ないことが起こった。まあ、経験積んでいきゃいいだろ。若い選手は…。そう思えばいいだろう」。

 指揮官が「草野球」と断じたのは0-0のしのぎ合いで迎えた延長11回だった。この回から登板した守護神岩瀬が先頭鳥谷に二塁打を浴びると、続くマートンにも右前へ運ばれた。この打球を捕球した平田がホームへ返球すると走者の鳥谷は三塁でストップ。だが、やや一塁側へそれた送球を捕ろうとした小田がなんと後逸。ボールがファウルグラウンドを転々とする間に重い、重い1点を許してしまった。

 さらに一、三塁から新井の打球を捕った岩瀬が二塁併殺を狙ったが、前進守備から二塁ベースカバーに入った岩崎達とのタイミングが合わず、悪送球となった。これで勝負を決定づける2点目を奪われた。フィールディングに定評のある岩瀬にとって09年以来2年ぶりの失策だった。

 岩瀬

 見ての通りです。次、頑張ります。

 1アウトも取れず、3失点で今季初黒星を喫した岩瀬はそれだけ言うと足早に球場を後にした。

 2日前の第1戦、同じく0-0の展開から9回にサヨナラ打を放ち、ヒーローとなった小田は試合後、自分を責めていた。

 小田

 送球?

 それは関係ない。僕が悪いです…。トンネルしたので。

 ただ、失策がついたのは小田と岩瀬だが、落合監督はあえて「若い選手が…」と指摘した。岩崎達が「あそこは前進守備だったし、もう少し事前に岩瀬さんに声をかけておくべきでした…」と反省したように、2つの失策の裏には間接的な要因もあった。若手の積極起用でチームを活性化させてきた落合竜にとっては、今後の戦いに向けての苦い薬となった。【鈴木忠平】