真昼のTRPG語り [2011/08/02] : FEARの公式シナリオ、データ記法について

エレ一寛グ( @ele1kuang )氏による F.E.A.R.の各種シナリオ記述法、またエネミーデータの記述法などについての評価・解説。 誰でも編集できるようにしておきますので、追記、近接するツイートなど、よろしくおねがいします。
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生方一寛 @na_ma3

たまにはタグつけて呟くか。FEAR社の公式シナリオの記述様式、今回はFEARフォーマットと呼ぶが、それがどれだけ練られたものであり、かつ時とともに進化しているか、というのは試しにあの記述様式に沿ってシナリオを書いてみるとわかるんだけど、あえて自分なりに解説してみる。 #TRPG

2011-08-02 11:23:23
生方一寛 @na_ma3

特にシーン性のゲームについて語るが、FEARフォーマット様式は大雑把に「今回予告」「ストーリー」「ハンドアウト」「注意事項」の4項目からなる事前準備と「オープニング」「ミドル」「クライマックス」「エンディング」「敵データ」の5項目からなるシナリオ本編に分けられる。 #TRPG

2011-08-02 11:23:35
生方一寛 @na_ma3

事前準備のうち、「ストーリー」はシナリオ本編とは別に短くシナリオの流れを解説し、GMに全体像を把握させることを目的としており、さらに「今回予告」はプレイヤーに今回遊ぶシナリオがどういったものなのか、を(多くは漠然とではあるが)説明する内容となっている。 #TRPG

2011-08-02 11:23:44
生方一寛 @na_ma3

「ハンドアウト」はそれぞれを割り当てられたキャラクターがなにをモチベーションとしてシナリオに参加して欲しいか、を説明しているもの。ちなみに、ここでプレイヤーが読み損なうと概ね事故る。また、「今回予告」と併せることでシナリオのビジョンを抱けるように作られていることが多い。#TRPG

2011-08-02 11:23:59
生方一寛 @na_ma3

「注意事項」はその他、システムごとのキャラクター間の関係性の規定、諸注意があるところなので置く。そして最初に書きそびれたが、FEARフォーマットでは「ストーリー」の前に、シナリオにおける想定人数とプレイ時間が記述してある。はじめに置くことで意識させるテクニックだ。 #TRPG

2011-08-02 11:24:16
生方一寛 @na_ma3

これらの前段階を踏まえた上でシナリオ本編に進むようになっており、GMがセッション前にシナリオを読む際にも、プレイヤーが実際にセッションに挑む際にも、事前準備部分を経ることで大体の流れを想定できるようになっているのだ。このつくりには正直感服している。 #TRPG

2011-08-02 11:24:34
生方一寛 @na_ma3

そしてシナリオ本編の各シーンは「解説」「描写」「セリフ」「結末」の4つの部品に分かれており、シーンを演出する際にどのような流れで進めるとよいか、を大体把握できるようになっている。特に「解説」は重要で、そのシーンがなにを目的として切り出されているのか、を説明してくれる。 #TRPG

2011-08-02 11:25:12
生方一寛 @na_ma3

そもそもシーンという機構自体が、判定部分以外は漫然と会話のみで進行しがちなTRPGのプレイにおいて、進行上必要な部品を切り出すことでメリハリをつけること、を目的として作られたものだと思われるので、時間管理・セッション管理上もこの「解説」は重要になってくるだろう。 #TRPG

2011-08-02 11:25:20
生方一寛 @na_ma3

「描写」と「セリフ」はシーンの演出に関る項目であるが、一連の流れになる部分でもあえてセリフを切り分け「誰のセリフか」を記述することで読み上げる人間、つまりGMに注意を促し、(GMがそこで解説を入れることで)複数のキャラクターが登場していても混乱を避けられる効果がある。 #TRPG

2011-08-02 11:25:28
生方一寛 @na_ma3

更に最後に「結末」を記述することで、シーン中でやることが終わったならば速やかに終了させて次のシーンへ進むことを示唆している。実際のセッション中にそこまで余裕があるかはともかく、シナリオの最初に記述した想定時間と併せ時間管理をある程度意識させるためと言えるだろう。 #TRPG

2011-08-02 11:25:46
生方一寛 @na_ma3

これらの各シーンの切りわけとは別に、最初に書いたように「オープニング」「ミドル」「クライマックス」「エンディング」に分けることで起承転結を意識させる効果もある。この区分けによって、シナリオがひとつの物語であることを端的に説明しているわけだ。 #TRPG

2011-08-02 11:25:51
生方一寛 @na_ma3

敵データの切り分けについては参照性の問題が大きい。FEARフォーマットでは別のカコミを使って敵データを解説している場合がほとんどだが、これは記述様式を揃えると埋没してしまい参照性が悪くなるためで、要はユーザーインターフェースの問題だ。 #TRPG

2011-08-02 11:56:49
生方一寛 @na_ma3

更にいえばどうせカコミが変わるなら、とでもいうように(多くはクライマックスの近くに)纏めて記述してある場合が多いが、これもデータを散らすことで何度も捲る手間を省くのが目的と考えられ、実際に使用するユーザーへの配慮となっていると考えるのが妥当だろう。 #TRPG

2011-08-02 11:56:59
生方一寛 @na_ma3

追記になるが、特に大判のルールブック、サプリメント等に収録されたシナリオは上記で説明したもののほかに「ハシラ」を持つ。ページ左右端、下端にある解説項目で、本編に記述するほど重要ではないが気にかけておくとより理解が深まること、が記述されていることが多い。 #TRPG

2011-08-02 11:57:08
生方一寛 @na_ma3

と、FEARフォーマットは概ねこのような感じで構成されている、と自分は思っている。なお、システムによって多少の違いはあるし、また同じシステムでも新しい本ほど少しづつ改良が加えられ、見やすく、使いやすくなっているのは間違いない。 #TRPG

2011-08-02 11:57:21
生方一寛 @na_ma3

また、WEB上でたまに見る意見に「FEARフォーマットは商業主義的な成果であって、素人が使う分にはよいが我々熟練ユーザーはそれぞれ自分の記述様式を職人芸として完成させており、基本的にそちらの方が上等である」という趣旨のモノがあるがそれは違う、と言わざるをえない。 #TRPG

2011-08-02 11:57:34
生方一寛 @na_ma3

職人芸、と一口にいう場合それは本来多くの先人の研鑽の結果伝達されてきたものであり、また最終的には「使う人間が心地よくあるため」に磨かれてきた技術であるべきであり、とすればシナリオの記述様式において本人しか使えないもの、は職人芸ではありえない。あ、マスタリングは別。 #TRPG

2011-08-02 11:57:46
生方一寛 @na_ma3

シナリオの記述形式、に対するユーザーはそれを読む(書いた人間以外の)GMであり、マスタリング、に対するユーザーはプレイヤーであるわけで、そこを混同してシナリオ記述を語ってはいけない、と俺は思う。 #TRPG

2011-08-02 11:57:56
生方一寛 @na_ma3

で、なにかっていうと実はFEARフォーマットそのものが職人芸の精華なんだよ、というお話。ついでに言うなら、素人が使えないモノ作ったらそりゃ職人失格ではあろう。……と、まあこんなトコかなあ。わかってる人には今更だろうし、益体もないお話を致しました。 #TRPG

2011-08-02 11:58:05