ニワンゴ杉本社長が語る、これからのネットで「勝つ」方法

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ニワンゴの杉本誠司社長

 株式会社ニワンゴの杉本誠司社長は2011年8月26日、大阪で行われた知的創造拠点「ナレッジキャピタル」のイベントで講演し、これからのネットサービスの世界で「勝つ」方法を提言した。ウェブ上に新旧メディアが入り乱れ、次々と生成されるコンテンツで情報過多になりがちな今日、いかにしたらユーザーの心をつかまえて「勝ち組」になれるのだろうか。

■「ネットの世界は、さらに拡大し、さらに限定される」

講演資料:「ネットの世界は、さらに拡大し、さらに限定される」

 杉本氏は「ネットの世界は、さらに拡大し、さらに限定される」と言う。すなわち、ウェブ上には次々とコンテンツが生成され、そのデータ量が増えていくという意味では「拡大」するが、一方でそのコンテンツへのアクセスは、数少ない検索サイトやソーシャルメディアを経由したものになるという意味では「限定」されるということだ。

 杉本氏によると、検索サイトの例としてはGoogleやYahoo!、ソーシャルメディアの例としてはmixi、Facebook、Twitter、そしてニコニコ動画などが挙げられ、前者については独自のコンテンツは持たずとも自前の検索システムなどによってユーザーを導くことに優位性があり、後者については日々ユーザーが作り続けるコンテンツ量の多さと場所に強みがある。ネットユーザーはこのように、検索サイトとソーシャルメディアという2方向を通じて集まってくることになる、と杉本氏は言う。

 このような状況下で、

「独自のウェブサイトを作ったりするような事業者の方々もいらっしゃるが、それは全く無駄ではないとは思いつつも、検索サイトやソーシャルメディアの力を上手く使っていくことだったり、そこと勝負するのであれば、そこには無い独自のエッセンスをちゃんと作っていくこと(が必要)」

と話し、現状では大手の検索サイトやソーシャルメディアに抗うよりも、そのプラットフォーム事業者を活用していくことを勧めた。

■「Googleを越えるサービスが出てきてもおかしくない」

講演資料:「優位性を保つために必要な要素」

 また杉本氏は、これからの時代に「完全な勝ち組」になるためには、次の二つのことが必要だと言う。第一に、ネットユーザーとコンテンツを結び付けるために必要な「クロール、マッチング、ソート、レコメンド」機能を研ぎ澄ましていくこと。そして第二に、ユーザーによるコンテンツ生成サイクルを組み合わせていくことだ。杉本氏は、「こういった機能の実装をどこが最初にやるのか、あるいは極めていくのかといったところに対して、ネットの『勝ち負け』は左右されていく時代に入っているのではないか」と話した。

 これについてはGoogleが頭ひとつ抜け出ているように思われるかもしれない。しかし杉本氏は、

「Googleで一つのキーワードを検索すると数百から数千、場合によっては数億のサイトが出てきてしまう。Googleは究極的な答えを出しているわけではないし、まだ発展途上。Googleを越えるサービスが今後出てきてもおかしくない」

と述べ、4つのサービス(クロール、マッチング、ソート、レコメンド)を極める努力の重要性を指摘した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]「ネットの世界は、さらに拡大し、さらに限定される」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv60737295?po=news&ref=news#0:48:25

丸山紀一朗

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