NY株終値240ドル安 7~9月は金融危機以来の下げ幅
【NQNニューヨーク=大石祥代】9月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反落し、前日比240ドル60セント(2.2%)安の1万0913ドル38セントで終えた。世界景気の不透明感や欧州株式相場の大幅な下落を受け売りが優勢となった。2011年7~9月期のダウ平均の下げ幅は1500ドル96セントと、金融危機のさなかの2008年10~12月期(2074ドル27セントの下落)以来の大きさとなった。
米商務省が発表した8月の個人所得は前月比0.1%減と市場予想に反して減少した。米実質国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費が減速するとの懸念を誘った。中国企業の景況感を示す指標が悪化したことも市場心理を冷やした。
9月のユーロ圏17カ国の消費者物価上昇率(速報)が前年同月比3.0%と前月から0.5ポイント拡大した。欧州中央銀行(ECB)が景気浮揚のための利下げに踏み切りにくくなるとの見方が広がり、欧州株が下落。投資家がリスク回避の姿勢を強めた面もあった。
欧州連合(EU)などによる追加融資の審査が続くギリシャで、同国政権が示した財政再建計画に抗議する公務員労働組合などが審査を妨害していると伝わっている。ギリシャの財政再建や支援が難航するとの警戒感が引き続き相場の重荷になった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に3日続落し、前日比65.36ポイント(2.6%)安の2415.40と8月22日以来、約1カ月ぶりの安値で終えた。業種別S&P500種株価指数は全10業種が下落。「素材」や「金融」の値下がりが目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約13億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億株(同)だった。
前日夕に発表した四半期決算で最終損益が赤字に転じた半導体大手マイクロン・テクノロジーが14%下落。出版・情報サービスのマグロウヒルとシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループはともに下げた。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が30日、株価指数算出事業で合弁企業の設立交渉を進めていると報じた。
ダウ平均構成銘柄ではパソコン大手のヒューレット・パッカード(HP)や非鉄大手アルコアが大幅に下落。米銀大手のバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースの下げも目立った。
一方、製薬大手のメルクやディスカウントストア大手のウォルマート・ストアーズといった収益が景気に左右されにくい銘柄が上昇した。