ソウル、給食無料化継続へ 手厚い福祉を選択
【ソウル=尾島島雄】韓国のソウル市で24日、学校給食の無料化の是非を問う住民投票が実施された。投票率は規定の3分の1に達せず無効となり、一部導入している無料化が継続される方向となった。呉世勲(オ・セフン)市長は無料化は日本の「子ども手当」に通じる「福祉ポピュリズム」と批判していたが、市民は手厚い福祉を選択した。
ソウル市では国政で野党だが市議会では多数派の民主党の主張に沿い、既に小学1~3年生で今年から無料化を開始している。民主党は投票に行かないことで無料化に賛意を示すよう市民に呼び掛けていた。
呉市長は来年12月の大統領選で与党ハンナラ党の候補の一人と目されたが、住民投票実施と関連づけられるのを嫌気して不出馬を表明。呉氏が候補から消える一方、識者の間では福祉予算への配分が大統領選の争点に浮上するとの見方が強まっている。