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イランが日本批判 厳しいIAEA天野氏に腹いせ?

2010年9月16日11時13分

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 【ウィーン=玉川透】イラン核問題を討議している国際原子力機関(IAEA)の理事会で15日、イランが日本批判をぶちあげた。同国の核開発疑惑に対し、天野之弥(ゆきや)事務局長は厳しい姿勢で臨んでおり、これに反発を強めている同国が「事務局長の出身国に攻撃の矛先を向けた」(外交筋)との見方が出ている。

 イランのソルタニエIAEA担当大使は、同日の演説で「日本が保有する大量のプルトニウムや高濃縮ウランは深刻な懸念だ」と、日本を名指しで非難。12月の次回理事会で、日本の原子力施設に対するIAEAの査察状況や保有する核物質の正確な量を報告するよう、天野氏に求めた。

 日本政府に対しても「朝鮮半島ひいては世界の安全への脅威」を取り除くために対応するよう促した。

 これに対し、日本の中根猛大使は、日本側の核物質の管理などに一切問題がないことを説明したうえで、「イランは自国の義務の履行に集中すべきだ」と反論した。

 昨年12月に事務局長に就任した天野氏は、今年2月の報告書でIAEAとして初めてイランが核弾頭開発を進めている可能性を指摘するなど、前任者の対話重視路線からかじを切り、同国の反発を招いている。

 批判の背景には、国連安全保障理事会の対イラン追加制裁決議採択を踏まえ、日本が今月3日に独自の追加制裁を閣議了解したこともあるのではとの指摘も出ている。

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