台風15号、ゆっくり北上　広範囲で大雨の恐れ

強い台風15号は19日、奄美地方の一部を暴風域に巻き込みながら、ゆっくりと北北西へ進んだ。気象庁によると、21日には本州に接近する見込み。台風の影響で湿った空気が前線に流れ込み、20日は九州から東北の広い範囲で1時間に30ミリ以上の激しい雨が降る恐れがある。

台風12号の豪雨被害を受けた紀伊半島では、22日午前0時までの24時間雨量が多い所で400ミリに達する可能性があり、同庁は新たな土砂災害への警戒を呼びかけている。

19日、記者会見した気象庁の神田豊主任予報官は「台風が接近するより前に雨が強まる恐れがある。早めの対策を心がけてほしい」と注意を促した。

同庁によると、台風15号は20日午前0時時点で、鹿児島県奄美市の東南東約70キロ付近にある。

中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル。最大瞬間風速は50メートル。中心から半径90キロ以内は風速25メートル以上の暴風域となっている。台風は、今後進路を東寄りに変えて速度を増し、22日にかけて西日本から東日本の太平洋側を進む見込み。

21日午前0時までの24時間予想雨量は、いずれも多い所で九州南部、四国が300ミリ、近畿250ミリ、九州北部、東海、中国地方200ミリ、北陸と東北150ミリ。