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グーグルが新SNSで「実名登録」にこだわる理由

ブロガー 藤代 裕之

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米グーグルが開始したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「Google+(グーグルプラス)」は、「フェイスブック」や「ツイッター」といった既存のソーシャルメディアの切り崩しだけが狙いではない。ウェブ上のデータを扱ってきたグーグルが次に狙っているのは「人」のデータにある。SNSは単なるサービス事業の延長ではなく、さまざまなデータを結び付ける同社のビジネス大転換への第一歩といえる。

批判されても「実名登録」を推進

サービス開始後1カ月で、世界中に2000万人以上の利用者を獲得したグーグルプラスだが、匿名で利用しているとみられるユーザーのアカウントが停止・削除されて騒動になるなど、自分の名前で登録する「実名登録」を強制させる方針に対して批判が起こっている。アカウントが停止になると、「Gmail」「Google Docs」「Calendar」などほかのサービスが利用できないという情報も広がった。グーグル幹部は「改善する」と発言しているが、実名登録の推進という方針に変更はないようだ。

フェイスブックが2月に日本でサービスを開始したときも、匿名利用ユーザーのアカウント削除が話題となった。なぜSNS各社は、ユーザーの情報を欲しがるのだろうか。それは実在するユーザーとアカウントを特定することが広告ビジネスに直結するからだ。

一部の海外メディアは、グーグルがウェブ上の「データ取引所」に乗り出すと報じている。最適な広告を打つためにデータを売買できる仕組みを整えるもので、マーケティングでは「行動ターゲティング」と呼ばれる手法の一種である。

従来の広告ビジネスでは、広く読まれる新聞や視聴率の高い番組、人通りの多い街頭をいかに押さえるかが重要だった。一方、ネットでの広告ビジネスは検索連動型が多く、利用者が検索するキーワードに応じて画面上に広告を表示させる。行動ターゲティングはこれをさらに進め、例えば自動車のサイトばかり見ているユーザーは購入意欲が高いと判断して画面に関連の広告を出す、といったことが可能になる。

マスメディアを使って「できるだけ多数に見せたい」という考えから、利用者と広告を結び付けるという「マッチング」へと変化しているが、うまく結び付けるにはデータの精度向上が求められる。そこで、各社はユーザー情報を欲しがるのだ。現在報じられているデータ取引所はクッキーと呼ばれるウェブの閲覧履歴を活用するようだが、リアルなユーザーの情報を扱えれば、消費者の行動を知りたい企業にとってデータ取引所は一層魅力的となる。

あらゆる機会をとらえてデータを収集する

グーグルプラスに先立ち、グーグルは「プラスワン」というサービスを開始している。これはフェイスブックの「いいねボタン」と同じように、各サイトの個人的な評価に使われるが、一方でどのユーザーがどんなコンテンツを評価しているのかも分かる。

グーグルの検索エンジンは「ページランク」と呼ばれるシステムをベースにウェブ上のリンクで解析してサイトを評価しているが、プラスワンの動きを分析することで、検索結果に利用者である「リアルな人間」の評価も加味できるようになる。ウェブページ同士で評価していた従来の仕組みから抜け出たことで、検索結果がより高精度になるわけだ。

グーグルはこれまでにもウェブだけでなく、リアルのデータも躍起になって収集してきた。地図サービス「ストリートビュー」の撮影車両は、世界各地で無線LANの「WiFi」に対応する端末の位置情報を大量に収集し、プライバシーへの批判もあった。それでもデータ収集をやめなかった。

グーグルプラスをスマートフォン(高機能携帯電話)で利用しようとすると、自動的に位置情報を通知することに同意するよう求められる。ユーザーがどこにいるかも明らかになるので、地域の店舗広告表示や居住地域のクーポンを表示するといったサービスにも使える。あらゆる機会をとらえてデータを集めてきたグーグル。これにグーグルプラスの情報も加えれば、さらに強固になるだろう。

端末のOSを握ればデータ収集は容易になるが・・・

気になるのは勝負のレイヤーだ。ウェブやソーシャルサービスだけで完結するとは思えない。よりリアルに、かつ自動的にデータ収集しようとすると、利用者が持つ端末の存在が今まで以上に重要になることは間違いない。

マイクロソフトはパソコンOSを握ることで、厳しい競争にさらされたハードメーカーをしり目に、高収入をあげた。以前から携帯電話向けの基本ソフト(OS)にも取り組んでいたが、スマートフォンではいまやアップルやグーグルの「アンドロイド」搭載端末が優勢だ。グーグルはスマートフォンでパソコン分野のマイクロソフトと似た動きをしているように見える。その理由は、端末で優位性を得るのがデータ収集などのビジネス戦略上で不可欠だからだ。

ただ、簡単ではないのは、ウェブサイトから個人のデータへと競争の場が移るにつれて、プライバシーの問題などより複雑な面が今まで以上に大きくかかわってくることだ。端末からのデータが広告などに利用されるにつれて、ユーザーの自覚も高まってくる。データを集めて効率よく収益を上げるという戦略は「机上の空論」になる可能性さえあるだけに、自分のプライバシーを企業に提供してもなお上回る便利さを利用者に与えることが大切になる。

藤代裕之(ふじしろ・ひろゆき)
ジャーナリスト・ブロガー。1973年徳島県生まれ、立教大学21世紀社会デザイン研究科修了。徳島新聞記者などを経て、ネット企業で新サービス立ち上げや研究開発支援を行う。学習院大学非常勤講師。2004年からブログ「ガ島通信」(http://d.hatena.ne.jp/gatonews/)を執筆、日本のアルファブロガーの1人として知られる。

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