<オールスターゲーム:全パ5-0全セ>◇第3戦◇24日◇Kスタ宮城

 夢の舞台でも、「助っ人伝説」の仲間入りを果たした。

 初回だ。阪神マット・マートン外野手(29)が楽天田中の148キロ外角直球を力みなく、とらえた。打球は一、二塁間を破る。「きた球を打てたのは、よかったね」。オールスターで3戦連続安打を記録。外国人では、日系人の半田春夫(南海)、ブレイザー(南海)、ラインバック(阪神)ペタジーニ(ヤクルト)に続く5人目の快挙だった。安打記録に3戦連続先発出場も加えると、阪神では82年の真弓監督以来だ。

 第3戦は被災地復興のために、当初の予定を変更して仙台で開催された。米国出身と言えども、人ごとではない。この日の意味をよく理解していた。

 「特別なオールスターだと思う。そういう意味でも、来てくれたファンが楽しんでくれたらいい。いろんなことがあった年で、その中の1人として、自分もオールスターに来られてよかった」

 今回の球宴のために、ナイキ社製の赤白の打撃グラブとリストバンドを準備した。「All

 for

 Japan」のロゴ入りだ。すべては日本のために-。言葉だけでなく、外国人選手では1人だけ全試合にスタメン出場し、ファンに夢を与えた。

 「楽しい3日間を過ごせた。素晴らしい経験ができた。チームを代表して、タイガースのユニホームを着て、プレーできて光栄だった。いい形で後半戦に入れたらいい」。あす26日からの中日3連戦では、1番での出場が確実だ。

 ベンチから見守った真弓監督も「(調子は)いいんじゃないか。運動量としては、いい調整になっていると思うよ」と期待は大きい。猛虎のリードオフマンが球宴の充実感を胸に、ヤクルト追走の旗手になる。【田口真一郎】