ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

アウストラロピテクス・セディバ(セディバ猿人)の位置づけ

 2011年9月9日の米国科学雑誌サイエンスに「アウストラロピテクス・セディバの洞察」といった題で5つの論文が載りました。これは1アウストラロピテクス・セディバ=MH1(*少年化石)の頭蓋腔内部から作られた型、2アウストラロピテクス・セディバの骨盤の一部、3アウストラロピテクス・セディバの手は移動と巧みな操作の能力を備えた進化のモザイク(*共存)を証明する、4アウストラロピテクス・セディバの足とくるぶし、5.百97万7千年前のアウストラロピテクス・セディバと、ホモ属の起源に対する意味合いといった題で、各論文毎に複数の著者名とその論文の要約が載っています。要約は僅かなので、詳しく読みたい方はウエブサイトから購入して下さい。http://www.sciencemag.org/site/extra/sediba/index.xhtml
 この論文発表以後科学サイトや各新聞の電子版などで多く取り上げられたので、それらを参照に要約し、且つ創造論サイトからの主張を付け加えます。
 アウストラロピテクス・セディバの化石が見つかったのは2008年の事で(南アフリカヨハネスブルク)、その研究結果が2010年4月の同じサイエンス誌に載りました。いつでもそうですが、この論文に対する反駁もあって、今回さらに精査して更新したようです。

 まず1の要約と他のサイトから、少年MH1の頭蓋腔の大きさは約420ccと、現生人類のわずか4分の1で、チンパンジーよりやや大きい程度だったそうですが、その形や構造は現生人類と「ほぼ合ってい」ます。次に2ですが、成人雌(MH2)の骨盤の復元では移動運動とか分娩について分析すると、或る部分は猿人に、或る部分は現生人類に似ており、直立歩行は可能であった事と推測されています。3ではMH2で強力な屈筋が予想され、樹上の移動運動と関連があり、猿人としての特徴を持っていますが、親指は極めて長く、他の小さな指と相俟ってモノを正確に掴む事が出来、まさに現生人類と同じように石器などの道具作りが十分に出来ただろうと推測されています。4を見ますと、距骨の情報からは現生人類の特徴(二足歩行)を、すらりとした踵骨の情報からは樹上生活をする猿人の特徴を汲み取る事が出来るそうです。最後に5ですが、堆積岩のウランー鉛年代測定法と古地磁気年代、さらに包含層の層位分析を加味して、約200万年前と推測されています。
 論文の結論としては アウストラロピテクス・セディバが「モザイク」、つまり猿人と現生人類の特徴を兼ね備えており、猿人から現生人類への移行形態のものとしています。
 しかし創造論の研究者たちはその結論に反対しています。代表的な論文はAiGhttp://www.answersingenesis.org/articles/2011/09/13/sediba)のデイヴイッド・ドウイット博士によるもので、上記1〜5のそれぞれに対して反論をしています。特に頭蓋容量420ccはチンパンジーと同じ位で、創造論で初めて人間と見做しているホモ・エレクトスの半分以下であるという事、手の親指が異常に長過ぎて、比較するとゆうに人間の範囲外である事などを列挙し、結論としてそれはモザイクとも言う事が出来ず、絶滅した類人猿の種類の一つであるとしています。ICR(http://www.icr.org/article/6380/)でも、科学ライターであるブライアン・トーマス氏は、この独特な手などから、現代類人猿ではなく、現生人類でもなく、その移行形態のものでもないと述べ、特殊創造され絶滅した生き物のようだと結論付けています。進化論のタイム誌記者ジェフリー・クルーガー氏も、未踏の洞穴などまだ多くある事だし、もっと研究を続ける事が必要だといった意味の事を述べています。
 「ついで神は、『地は、その種類にしたがって、生き物、家畜や、はうもの、その種類にしたがって野の獣を生ぜよ。』と仰せられた。するとそのようになった」(創世1:24)。