大臣が県知事にお願いしたことを首相が梯子を外していいのか。(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

大臣が県知事にお願いしたことを首相が梯子を外していいのか。(中川秀直)

今日の衆院予算委員会の質疑の中で、自民党の塩崎恭久議員が運転停止中の九州電力玄海原発の再稼働問題で古川佐賀県知事が首相との会談を求めていることへの対応を問い質したのに対し、菅首相は「どういうルールで再稼働や運転継続を認めるのか、基本的な考え方をしっかりしておかなければお会いしても申し上げられない」と、佐賀県知事との会談を拒否した。

それでは、海江田経産大臣が6月29日に佐賀県を訪れ、古川県知事に「緊急対策をとり、安全は確保できている。再開については国が責任を持ちます」と述べ、直接、運転再開に理解を求めたのは何だったのか。海江田大臣は、古川知事との会談の中で、「玄海原発では横揺れはあるかもしれないが、津波が起こる可能性は低い。そこが大きな違いだ」と述べている。玄海原発の再開に支障はないということだと思うが、これは政府の見解ではなかったのか。

古川知事が真剣に大臣発言を受け止めていたとすれば、菅首相に梯子を外されたことになる。海江田大臣も、こんな形で梯子を外されて黙っているのか。

大臣が県知事と公式に会談して発言したことを、後日、国会で首相が否定する。こんなことをやっていては、誰も政府の言うことを聞かなくなる。

(7月6日記)中川秀直