千羽鶴の幸せな行方は、なんとジェフ・ベゾスのおかげだった!

昨日、わが息子の通っている中学(Middle School)にて、毎年恒例の「マルチカルチュラル・フェア」が開催された。前から私は、日本ブースの企画チームの一員で、剣道のパフォーマンスを知り合いにお願いしたり、日本出張時に我が中学で大流行中の「ハイチュウ」(アメリカで売っているバージョンでなく、日本で売っているモノが特に貴重とされている)を調達したりなど、(料理やクラフトや飾り付けが大の苦手な私なりの)役割をいただいてごちゃごちゃやっていた。

たまたま大震災のため、ブースで単に「展示」のつもりだった折り鶴は、「折ったものを日本に送る」という話が持ち上がった。わがブース委員会からの話ではなく、地元のガールスカウトがそういう運動をやっているので手伝ってくれと言われた、ということだった。

しかし、以前にハイチの地震のとき、「ハイチに千羽鶴を送ろう」と言いだした人が「アホか」とネットで叩きまくられたのを覚えているため、「うーん」と私は躊躇した。それで、Twitterで「どう思います?」と投げてみたら、すごい勢いで「メーワク」「やめろ」「食べることもトイレットペーパーにすることもできん」などと、大反対意見が押し寄せた。

それで、委員会の皆様に「なんとか他の方法はないでしょうか?」とお聞きしたところ、メンバーの一人から、「地元の図書館で、鶴の寄付を集めていて、一羽につき2ドルを代わりにどこかの企業が募金してくれる仕組みがある」という耳寄りな情報を持ってきてくださった。これで安心して鶴を折ってもらえる。

ここしばらく、私事でヘトヘトだった私は、「へぇ、それはありがたい!さすがアメリカ。でも一羽2ドルはずいぶん太っ腹だなぁ、どんな奇特な地元企業なのかな?日本の企業なのかな?」と疑問に思いながら放ったらかしであった。

昨日、意外にも多くの子供たちが折り鶴に興味を持ってくれて、2時間半ほどのイベントの間、途切れることなく折り方を教え続けるのに忙殺された。我が日本ブースは、おかげさまで多数の国のブースが出る中、おそらく一番人が集まり、各国2つづつ割り当てられたテーブルではさばききれず、急遽もう一つテーブルが追加されるほどの人気だった。

アメリカ人が鶴を折る話が、ちょうど「日経ビジネスオンライン」にも載った。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110408/219373/

それで、そういえば、と思って、この「折り鶴寄付」の出所を探してみた。まず、地元図書館での寄付集めの情報は下記のリンクにある。
Brisbane Volunteer Opportunities

我が家のある「サンマテオ郡」の図書館ならどこでも受け付けてくれる。図書館では、これを「Bezos Family Foundation to Architecture for Humanity」というチャリティ団体に持ち込むと、その団体が日本再建向けに一羽につき2ドル寄付する、とある。

ん?ベゾス?どっかで聞いたことあるな・・・?
Bezos Family Foundation | Bezos Family Foundation | Putting education into action

アマゾン創業者はジェフ・ベゾスなので、この基金の設立者「ジャッキーとマイク」ではない・・で、調べてみると、ジェフの両親なのだ。
Jeff Bezos - Wikipedia

つまりは、ジェフ・ベゾス一家のチャリティ基金。なるほどー、そういう仕組みか!!

ということで、現地の迷惑にもならず、お金を自分で出せない子供たちでも参加でき、美しい日本の伝統芸術を広く知ってもらうこともできる、という活動をベゾス一家の基金のおかげで、できることになっているのである。100万羽が目標とか言っているようで、そしたら200万ドル(2億円近く)になる計算だ。

いやー、さすがアメリカ。太っ腹。何かと新しい仕組みを考えるのが得意。

アメリカの友人達に深く感謝。そして、ベゾス基金に心から御礼を申し上げたい。全米各地で同様の企画を進行中の日本人の皆様も、ぜひこの運動を利用してほしい。

そして、折り鶴をおってくださった皆様、本当にありがとうございます。