29日午後、東京地裁520号法廷。「原告の訴えを棄却する」、志田博文裁判長が蚊の鳴くような声で判決を言い渡した。たった一言、わずか2〜3秒だった。北海道のオッチャンがたった一人で、国家をも支配下に置く東電相手に起こした「原発運転差し止めの訴え」は認められなかったのである。訴えていたのは、北海道北広島市で仏壇販売業を営む前川宗廣さん(62才)。訴状によると原告・前川さんは次のような理由で東電・福島原発(第