「古(ふるたち)さん」「古(ふるたち)さん」
両方とも、御目に掛かった事が有る方は多いのではないでしょうか?
実際に会ってないとしても、書面上でお会いした事がある方は、殆どではないかと想像します。

そこで質問です。
この2つのタチはどういう関係ですか?
カンの良い方はお気づきだと思いますが、これらは互いに異体字です。
「館」が正字(常用漢字字体・通用字体)、「舘」が俗字です。

しかし、更に疑問を投げかけます。
「舘」が俗字という事が書いて有りますが、本当に「俗に使われてきた」文字ですか?

実は、答えはNO!なのです。
もちろん、昨今では固有名詞に好んで使われていますが、歴史的には圧倒的にNO!なのです。

それってどういう事?と、この記事をご覧になっている皆さんは御思いでしょう。

まず、歴史的に書かれてきた文字の一覧を参照します。
http://coe21.zinbun.kyoto-u.ac.jp/djvuchar?query=%E8%88%98
(京都大学人文科学研究所 東アジア人文情報学研究センター よりお借りしています。)

すると、どうでしょう?
“食”を含まない形の物は、「」ではなく
makewisteriaのブログ
ばかりが使われている事にお気付きでしょうか?

そうなんです。実は、歴史的には「」ではなくmakewisteriaのブログ が、かなりメジャーだったのです。
では何故、今は「舘」の方がメジャーなのでしょうか?
その大きな原因に、「康煕字典(こうきじてん)」が有ります。
⇒ウィキペディア「康煕字典」のページへ飛ぶにはココ をクリック!
この康煕字典、“権威ある字典”とされており、字体の規範とされる事が非常に多いのです。
“俗字”“正字”“古字”などの基準も、康煕字典に倣う事が一般的です。

しかしこの康煕字典、歴史的に楷書として書かれていない字体を多く掲載しているのです。
たとえば、示偏(しめすへん)=ネ偏について、歴史的に楷書として書かれる事の殆ど無かった「示」の形を掲載しており、それ故、活字では「示」が多用されます。
その“楷書として書かれる事の殆ど無かった字体”である「舘」を康煕字典が掲載してしまった事で、(字典成立当初はそこまで大きな影響は受けなかったものの、)昨今ではパソコンの文字規格を考える際に、字典を大いに気にしますので、活字では“”ばかりなのです。

しかし、戸籍では「髙」や「﨑」と同様に、「makewisteriaのブログ 」という字体を温存しているケースも多く存在します。
普段の生活ではやむを得ず「舘」で代用していても、手書きの署名等では戸籍どおりに書いている方もいるようですね。

戸籍でも、きちんと“今後も使える文字”としてmakewisteriaのブログ は指定されており、本人が使い続けたいと思えば、きちんと使い続けられる文字です。
役所から「もう使えません」といわれたならば、それは担当者の勘違いです。

それでは…まとめ。
makewisteriaのブログ 」:俗字。しかし、これこそ伝統的な楷書である。
」:正字。これも正しい楷書である。常用漢字字体でもあり、一番メジャーなタイプと言えるであろう。
」:俗字。俗字ではあるものの、きわめて使用頻度は低く、皮肉な意味での康煕字典体と言えるであろう。
」:正字・旧字。「」の旧字体である。楷書として相応しい形とは言い難い。

■それぞれの字の入力方法■
」と「」は、そのまま入力して文字化けする事はまず有りません。
」は、直接入力はちょっとリスクあり。しかし、そこまで気にしなくても良いかも。
makewisteriaのブログ 」は外字を使わずしての入力は不可能
といった現状です。

■詳細な入力方法■
」の場合、
手段1直接入力=「
」をコピー&ペーストして完了です。

手段2
外字で入力=グリフウィキを使いましょう。
1~3の順序で行ってください。
1⇒http://ameblo.jp/make-wisteria/entry-10804081447.html
2⇒http://ameblo.jp/make-wisteria/entry-10807307448.html
3⇒http://ameblo.jp/make-wisteria/entry-10807359079.html
尚、上記ページ内で、「グリフウィキを使って…」と解説していますが、
今回のグリフウィキ該当ページは、
http://glyphwiki.org/wiki/ufa2c
です。

makewisteriaのブログ 」の場合、外字を作ります
1~3の順序で行ってください。
1⇒http://ameblo.jp/make-wisteria/entry-10804081447.html
2⇒http://ameblo.jp/make-wisteria/entry-10807307448.html
3⇒http://ameblo.jp/make-wisteria/entry-10807359079.html
尚、上記ページ内で、「グリフウィキを使って…」と解説していますが、
今回のグリフウィキ該当ページは、
http://glyphwiki.org/wiki/j-arib-762b
です。

人名の場合、出来る限りご本人の記すとおりに活字化するのが良いですね。


あとがき
今回の記事では、4つのタチを議題としていますが、実際はもっと多く存在します。
決して、これ以外の物が誤字である訳では有りませんので、誤解の御座いませんよう、お願い申し上げます。