「米国債は世界で最も安全」 オバマ米大統領が声明
【ワシントン=御調昌邦】オバマ米大統領は8日、ホワイトハウスで声明を発表し、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国債の格下げについて「市場は我々の信用が世界で最も安全であることを再確認している」と語った。大統領は同日、財政悪化懸念が高まっているスペインとイタリアの首相とそれぞれ電話で会談し、欧州債務問題などの最新情勢について協議した。
同大統領は、11月下旬までに追加の財政再建策をまとめる米議会の超党派委員会に関連し「(格下げが)新たな緊急性をもたらすことを期待している」と指摘。「数週間のうちにどのように進展させるべきか自ら提案するつもりだ」と語り、財政協議の加速に意欲を示した。
一方、足元の景気失速懸念をふまえ、米議会に給与税(社会保障税)減税と失業保険給付の延長を要請。両対策が延長されない場合、100万人の雇用と0.5%の経済成長率が失われるとの懸念を示した。