狙いは「ビッグデータ」 - GoogleがAmazon Primeの競合サービスを検討

事情に詳しい複数の関係者が語ったところによると、Amazonが商品検索の分野を支配しつつあることに危機感を覚えたGoogleが、複数の小売チェーンと手を組んでAmazonのPrimeサービスと同様のサービス提供を検討しているという。
狙いは「ビッグデータ」  GoogleがAmazon Primeの競合サービスを検討

同社の事情に詳しい複数の関係者がWall Street Journal(WSJ)やNew York Timesに語ったところによると、Amazonが商品検索の分野を支配しつつあることに危機感を覚えたGoogleが、リアルの店舗網を展開する複数の小売チェーンと手を組んで、AmazonのウリであるPrimeサービスと同様の、購入商品の当日〜翌日配送サービスの提供を検討しているという。

Googleのパートナー候補として名前が挙がっているのは、Macy’s、The Gap、OfficeMaxなどだが、ただしMacy’sの広報担当者はWSJに対し、同社がこの計画に参加するかどうかは未定と話している。もし関係者の話合いがまとまった場合、グーグルはこのサービスを2012年中にも開始する考えで、まずは試験運用をサンフランシスコとニューヨークで実施することになるという。

Amazonは全米に配送センターや物流網を構築しているが、Googleではそうしたことは行わず、代わりにソフトウェア中心のサービス展開を構想しているようだ。具体的には、消費者に対して商品検索や決済サービスを提供するほか、ネットユーザーが同社の検索サービスをつかって商品を探した際に、当該商品を扱う小売店や、パートナー各社の物流センター、配送サービス業者の情報などを組み合わせて、ユーザーにすばやく(できれば無料で)商品が届くような選択肢を提示することを考えているという。

Googleは、同社の中核ビジネスである検索・広告事業のなかで商品検索が占める割合が高まっていることから、小売分野での勢力拡大をはかりたい考え。また同じような理由から、クーポン(割引)サービスやローカル広告市場にも食い込みたい考えだという。

Googleは以前から「Product Search」という商品検索に特化したサービスを提供しているものの、オンライン買い物客のなかには直接AmazonやeBayにアクセスして商品を探すことに慣れたユーザーが増え、同社のような検索ポータルを素通りする動きが目立ってきている。

Googleではそうした他社に流れる検索ユーザーを奪い返し、買い物する気が満々の相手に広告を見せることで、広告主からプレミアム料金を取りたい考えだという。また、小売業者と顧客とのやりとりから生じる膨大なデータが手に入れられれば、データの解析や活用に関して高い能力を持つ同社に、新たな収入源がもたらされる可能性もある。Googleがそうしたデータを手にした場合、Amazonには太刀打ちできないような武器になるかもしれない。

{この翻訳は抄訳です}

TEXT BY Tim Carmody
TRANSLATION BY 中村航

WIRED NEWS 原文(English)