野田首相が「ぶら下がり」をやめたことに対して、記者クラブが反発を強めている。特に執拗に批判しているのが朝日新聞だ。きょうの4面の記事(ウェブには出ていない)では、こう書く:
首相としての発信力を高めるよりも、失言などのリスクを避けることを優先する考えだ。ただ、野田首相は臨時増税案を決定しても記者会見も開いておらず、国民への説明責任を十分果たしていない。
この記事を書いた南彰と岡村夏樹という記者は、ぶら下がりと記者会見の区別もついていないようだが、どこの国でも最高首脳の記者会見というのは、そんなに数多く開かれるものではない。オバマ大統領の会見は、9・11の前は6月だ。「情報発信」のためのweekly adressは毎週、行なわれているが、記者に即興で答える非公式の会見はまったく行なっていない。彼は「説明責任」を果たしていないのだろうか。

鳩山由紀夫氏もいうように、ぶら下がりは失言を誘発することが多く、日本の首相が短命になる原因だ。記者への説明は、官房長官が毎日2回(これも多い)も行なっており、首相が会見しなくても政府としての説明責任は十分はたしている。

ぶら下がりとか「記者懇」などの非公式の情報提供は記者クラブの特権だが、政府の情報操作の原因にもなっている。そういう既得権を守ってほしいと政府にお願いするならともかく、「説明責任」とか「国民の知る権利」と称して高圧的に政府をなじる朝日新聞の特権意識は異常である。ぶら下がりなどという世界のどこにもない奇習は廃止すべきだ。