「『X-MEN』はアニメ『タイバニ』の原点」 オタク女子たちの「相棒」論

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『X-MEN』には「すごいエピソードが挟まれている」

 アニメ、ゲーム、マンガをオタク女子の視点で議論するニコニコ生放送「オタク女子文化研究所」。2011年10月24日の放送では、アニメ『TIGER&BUNNY』(通称・タイバニ)を軸に、オタク女子的目線で相棒(バディ)論が展開された。オタク女子によると、『タイバニ』の原点ともいえる『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』には「すごいエピソードが挟まれて」おり、同作に登場する若きプロフェッサーXと”相棒”のマグニートーのあいだに「カップリング」が成立するという。

■オタク女子用語としての「相棒」と「愛棒」

 番組では、まずオタク女子用語としての「相棒」と「カップリング」について解説された。ジェンダー論ややおい研究を主とする社会学者・金田淳子氏によると、「カゴをかつぐ相手」が語源の「相棒」と、「カップリング」には明確な違いがあり、

「相棒とは仕事を達成するための2人。カップリングとは”愛棒”で、仕事よりも2人の関係性を大事にする」

という。ここで語られる「相棒」は男性の2人組を指すが、それぞれ “攻め”と”受け”の役割にわかれることで「カップリング」が成り立つことになる。

 こうした知識を前提として、のちの相棒論が展開される。「相棒モノ」の具体例として番組内で挙がったのは、『シャーロックホームズ』、『あぶない刑事』、『MEN IN BLACK』、『SUPERNATURAL』といった映画、アニメ作品。なかでも、出演者たちが押したのは映画『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』だ。

 金田氏によると、『X-MEN:ファーストジェネレーション』は「タイバニ」のもととなった作品であるとし、若き日のプロフェッサーXと、のちに敵となるマグニートーとの関係性に注目。ライターの高野麻衣氏が、

「予告編から私はつかまれた。(マグニートーが)『おまえは俺の何を知っているんだ』(と言うと)、(プロフェッサーXは)『エブリシング』と言ったんです!」

と興奮気味に語ると、他の出演者たちも同意して大盛り上がり。テレパシー能力をもつ若きプロフェッサーXには、マグニートーの「すべて」が見透せていたとはずだと、カップリング視点での分析がなされた。

 また、金田氏は若きプロフェッサーXとマグニートの2人が、仲間をスカウトしに行く場面は「完全におかしい」と指摘。ほかにメンバーがいるにも関わらず、なぜかいつも2人きりで行くことがまず不自然であると、ただならぬ関係があることを示唆した。さらに金田氏は、

「エンジェルという子をスカウトしに行く場面では、個室に真っ赤なシングルベッドがあって、そこになぜか(プロフェッサーXとマグニートーが)2人で横たわる」

など、「要所要所に(オタク女子的観点で)”すごい”エピソードが挟まれている」と語る。

 話は2人の怪しい関係のみならず、そこにセバスチャン・ショウを加えた三角関係に及ぶ。作品中で幼いマグニートーの能力を開花させるセバスチャン・ショウだが、

「少年時代のマグニートーの能力を開花させたあとに、なぜか『2人でもっと楽しいことをしようよ』と言うんですよ」

と金田氏。ここにもカップリング的な関係性があると見る。しかしながら、マグニートーは母親を殺害したセバスチャン・ショウのことしか考えられなくなっているため、「変な三角関係」になっているとし、

「マグニートーが『自分は死んでもいいからショウを追うんだ』と言っているところに、チャールズ(若きプロフェッサーX)が『やめろ!』と言って抱きとめるわけです。(結果的には)その抱きとめが(マグニートーに)およばなかったという話ですね」

とまとめ、オタク女子の視点で『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を評した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 『X-MEN』に見られる「カップリング」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv66348891?po=news&ref=news#0:44:03

(小野陽)

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