アンニュイ(英語表記)ennui(仏)

精選版 日本国語大辞典 「アンニュイ」の意味・読み・例文・類語

アンニュイ

〘名〙 (ennui) 意欲を失い、もの憂(う)精神状態。一九世紀末のヨーロッパ風靡(ふうび)したデカダンス文学の底流をなす。倦怠(けんたい)倦怠感退屈無聊(ぶりょう)
※それから(1909)〈夏目漱石〉八「仕舞(しまひ)にアンニュイを感じ出した」

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デジタル大辞泉 「アンニュイ」の意味・読み・例文・類語

アンニュイ(〈フランス〉ennui)

[名・形動]ものうい感じであること。また、そのさま。倦怠けんたい。「アンニュイ午後
[類語]物憂いけだるい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンニュイ」の意味・わかりやすい解説

アンニュイ
ennui(仏)

倦怠 (けんたい) 感。退屈。世紀末的風潮から生まれた一種の病的な気分。文学的には,生活への興味を喪失したことからくる精神的倦怠感をいう。自意識の過剰,生の空虚の自覚,あるいは常識に対する反抗的気分などが含まれる。フランス近代の小説・詩,C.-P.ボードレール,P.ベルレーヌ,A.ランボーなどの作品にその典型を見いだす。日本では佐藤春夫の『田園の憂鬱』 (1917~19年) にこの気分が流れている。

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