【東京モーターショー2011】スマートフォン連携やタブレット活用の事例あれこれ

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【東京モーターショー2011】スマートフォン連携やタブレット活用の事例あれこれ

幕張メッセから東京ビッグサイトに会場を移して開催される自動車の見本市『東京モーターショー』。12月3日から11日までの一般公開は、「お台場なら行ってみようかな」と検討している方も多いのでは? 今回の各社の出展で目立ったのは、スマートフォンとクルマが連携する提案の数々。会場の展示では『iPad2』などタブレットも大活躍しています。

トヨタは“おくだけ充電”&ディスプレー連携を提案

トヨタのオンデマンド車載ディスプレーコンセプト

トヨタ自動車は、スマートフォンと連携するオンデマンド車載ディスプレーを出展。コンセプト展示ながら、実現性の高さがうかがえる内容となっています。

“おくだけ充電”に対応したAndroidスマートフォンを置くと充電できるだけでなく、ナビゲーションや渋滞情報などを提供する専用アプリがスマートフォン上で起動し、同じ画面を無線LANでスマートフォンとつながった車載ディスプレーに表示できます。車載ディスプレーのタッチパネル操作でスマートフォン上のアプリを操作でき、ネット経由での情報取得もスマートフォンが担当するという仕組み。

ドコモ『ドライブネットクレイドル』はタブレットに対応

タブレット対応の『ドライブネットクレイドル』

一方、スマートフォンをカーナビとして利用できるNTTドコモの『ドライブネットクレイドル』は、タブレット対応のクレイドルを参考出展。ダッシュボードにぶら下げるように設置するタイプと、スマートフォン用クレイドルと同様にダッシュボードに立てて設置するタイプの2種類を展示していました。

スタンド型 スタンドはコンパクトですが……

クレイドルはパイオニアが開発し、パイオニアも『ナビクレイドル』として販売する製品。ドコモが提供するナビサービス『ドコモ ドライブネット』と組み合わせて利用します。クレイドル本体にはGPSやジャイロセンサ、Gセンサといった市販のカーナビ製品と同等の精度を持つ部品が搭載されているのですが、タブレット対応クレイドルはずいぶんコンパクトなような……。製品化される際にはもう少し大きいサイズになるのかもしれません。

参考記事:
Androidスマートフォンがカーナビになるパイオニアの『ナビクレイドル』を実車レビュー
https://getnews.jp/archives/143094

デンソーはアプリ連携を実演

デンソーの『シンクロナイズドコックピット』

デンソーブースでは、ハンドルに『iPhone』を装着し、メーターや車載ディスプレーと連携する『シンクロナイズドコックピット』を出展。ダッシュボードに設置されたカメラでドライバーのまばたきを検出し、眠気が強くなったら近くのコーヒーショップを案内するアプリや、付近の信号情報を受け取り、車を停止させずに信号を通過するのに最適な速度をメーター上で指示するアプリ、メーターデザインを着せ替えられるアプリを体験できます。

『ARPEGGiO(アルペジオ)』のデモ展示

同じブースに出展されている『ARPEGGiO(アルペジオ)』は、トヨタと同様にスマートフォンを車載ディスプレーと連携させるサービス。ナビゲーションやインターネットラジオ、燃費管理などのアプリをスマートフォンからダウンロードして車載ディスプレー端末に表示することで、ネットを利用したサービスを利用したり車載端末の機能拡張ができるというコンセプトです。こちらは無線LANではなく、Bluetoothでスマートフォンと車載端末が通信します。

カーナビ端末とスマートフォンをBluetooth連携させるアプリケーション『NaviCon』

同社がインターネットITS協議会に出展しているブースでは、カーナビ端末とスマートフォンをBluetooth連携させるアプリケーション『NaviCon』を紹介しています。こちらは、市販のカーナビと『iPhone』が連携できる、既に実用化されているアプリケーション。スマートフォンで検索した地点をワンタッチでカーナビの目的地に設定できるなど、iPhoneアプリの操作や情報をカーナビに渡すことができます。連携するための仕様は公開されており、既に『NaviCon』対応のアプリが12種類、『AppStore』で配信されています。

ホンダの未来ビークルはスマートフォン連携が前提?

ハイブリッドカー『AC-X』

スマートフォンとの連携に本気を感じたのが本田技研工業(ホンダ)のコンセプト展示。ハイブリッドカー、EVコミューター、電動カート、EVスポーツカーのいずれもスマートフォンを装着するコンセプトを提示しています。

ツインレバーの未来的な運転席 ダッシュボードのディスプレーは表示をカスタマイズ可能。HUDに速度メーターを表示

ハイブリッドカー『AC-X』は、内部を撮影することができました。ツインレバーのステアリングという未来的な運転席には、スマートフォンを装着可能。ダッシュボードのディスプレーはスマートフォンのアプリでカスタマイズができ、ネット接続の機能もスマートフォン経由で提供されます。速度メーターはHUD(ヘッドアップディスプレー)でドライバーの視界上に表示する仕様。とんでもなく未来的なクルマですが、スマートフォンと連携すると考えると身近なものに感じるから不思議です。

ホンダの展示で使われているスマートフォンのコンセプトモデル

ちなみに、ホンダの展示でスマートフォンとして装着していたのは、これまた未来的な端末。ボタン以外はほとんどディスプレーという端末で、これをキー代わりにしたり、EVの電池残量を確認できたりするという利用法をイメージしています。

左が『TOWN WALKER』、右が『MOTOR COMPO』 『MOTOR COMPO』のハンドル部 『TOWN WALKER』のハンドル部

懐かしの『モトコンポ』のコンセプトを踏襲したEVコミューター『MOTOR COMPO』や、電動カート『TOWN WALKER』も、ハンドル部分にスマートフォンを装着できるようになっています。

EVコミューター『MICRO COMMUTER CONCEPT』 ダッシュボードにスマートフォンを装着 フロントガラスがディスプレーに

3人乗りのEVコミューター『MICRO COMMUTER CONCEPT』にも、ダッシュボードにスマートフォンを装着可能。フロントガラスには、メーターのほかにスマートフォンの情報を表示することもできます。

ここまでスマートフォンありきの設計だと、スマートフォンを持っていない人はどうなるんだろう? という気もしますが、前回のモーターショーでカギ代わりに利用するガジェットのコンセプトが、スマートフォンの急速な普及を背景にスマートフォンへとシフトしたのは自然な流れといえます。近い将来、“ホンダのスマートフォン”が発売されたりして。

参考記事:
【東京モーターショー2009】ヒトとクルマをつなぐ“魔法のカギ”『LOOP』
https://getnews.jp/archives/34683

タブレットが展示で大活躍

日産のコンセプトカー 自分で操作して必要な情報が見られます

クルマ本体とは直接関係ありませんが、会場ではクルマと一緒に『iPad』などのタブレット端末を設置して、カタログ代わりにスペックやカラーリング、オプションなどを説明しているブースが数多く見られました。ホンダや日産はコンセプト展示に利用していましたが、BMWやプジョー、シトロエン、ポルシェ、ロータス、メルセデス・ベンツなど、海外メーカーの製品展示はほとんどタブレットがセットになっています。

エンジンの解説にもタブレット

モーターショーといえば、会場では豪華に印刷されたパンフレットをたくさんもらって、重い荷物と一緒にヘトヘトになって帰宅するのが普通でしたが、パンフレット代わりにタブレットで情報を見る時代になったんですね。「未来は今」という感慨しきり。一般公開日にはパンフレットも配布されるかもしれませんが、念のためメモがわりのカメラは用意しておいた方がよさそうです。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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