修道女も避妊薬服用を、婦人科がんのリスク軽減に=豪研究
[ロンドン 8日 ロイター] 婦人科系がんのリスクを軽減させるために、修道女にも経口避妊薬(ピル)を提供すべきだとする論文を、オーストラリアの研究者らが8日、医学誌ランセットに発表した。
研究を行った豪モナシュ大学とメルボルン大学の研究者らは、出産と授乳を経験しない女性は月経回数が増え、乳がんや卵巣がん、子宮がんのリスクが上昇すると指摘。ピル服用者はそうではない人に比べて致死率が約12%低く、卵巣がんや子宮内膜がんの発症リスクが50―60%減少するとしている。
世界中に約9万5000人の修道女がいるが、もしピルを服用できるようになれば、彼女たちのがんリスクを減らすことができるという。特に乳がんについては、1713年にイタリア人医師が、修道女はこの「のろわれた悪疫」の罹患率が極端に高いと報告している。
カトリック教会はいかなる形の避妊も認めていないが、研究者らは、ピルを治療用として使用するのであれば、避妊を規制した教皇パウロ6世による1968年の回勅に反するものではないとしている。
ただ、ピル服用は副作用も伴い、中には血栓をできやすくするものもあるため、研究者らは個人の病歴などを考慮して服用する必要があるとも指摘している。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」