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アップル超えるか、アンドロイド「ウォークマン」の実力

フリーライター 竹内 亮介

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ソニーが12月10日に発売した「ウォークマンNW-Z1000」シリーズは、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末に採用されるグーグル製OS(基本ソフト)「Android(アンドロイド)」を搭載した、多機能な音楽・メディアプレーヤーだ。

アンドロイドを採用したプレーヤーには、韓国Cowon(コウォン)やクリエイティブメディアの製品があるが、「ウォークマンブランド」として投入したところにソニーの意気込みがうかがえる。「ウォークマン史上最高」とうたう音質へのこだわりやプレーヤーとしての使用感はどうか。ライバルのアップル「iPodtouch」との違いは何かなどを検証してみた。

液晶画面は4.3型ワイドで見やすい

NW-Z1000は、ソニーの音楽・メディアプレーヤーでは最上位モデルにあたる。内蔵メモリーの違い(16・32・64ギガバイト)で3モデルを用意し、実勢価格は16ギガバイトモデルの「NW-Z1050」が2万6000円前後で、32ギガバイトの「NW-Z1060」だと3万1000円前後。iPodtouchの32ギガバイトモデルの直販価格が2万4800円なので、NW-Z1000のほうがやや高い。

ただしNW-Z1000では、音声データをフルデジタルで処理し、音のひずみや劣化を最小限に抑えるというデジタルアンプ「S-MasterMX」を搭載。そのほかにも周囲の騒音を98%低減するというノイズキャンセル機能、左右の音の混在を防いで音の広がり感を高めるという「クリアステレオ」、低音をより自然に増強する「クリアベース」など、音質を高めるための機能が豊富だ。

付属ヘッドフォンの音質にはあまりよい評価を聞かなかったり、音質を高める簡単な機能を用意する程度だったりするiPodtouchと比較すると、「音楽プレーヤー」としてはNW-Z1000に軍配が上がる。

液晶画面は、4.3型ワイドでかなり大きい。iPodtouchは3.5型、ウォークマンブランドで1つ下のグレードの「NW-A860」シリーズは2.8型である。高性能スマートフォンではこのサイズの液晶を搭載する製品は珍しくないが、音楽・メディアプレーヤーではまず見かけない。

操作ボタンはもちろん、検索する際の文字も大きく表示されるため、使い勝手の面では液晶は大きい方がよいのは間違いない。発色もよく、どの方向から見ても色の変化はほとんどなかった。

液晶サイズに合わせ、本体サイズはやや大ぶりだ。幅は70.9ミリ、奥行きは134.4ミリ、厚さは11.1ミリある。男性なら片手で持っても操作はできるが、女性だとちょっと難しいかもしれない。背面中央部がややえぐれたユニークなフォルムを採用し、ここに手のひらを当てるようにして持つと、上と下の膨らみが指などに引っかかって安定する。よく考えられたフォルムだ。

インターフェースはミニHDMI出力端子と、パソコンや周辺機器との接続や、充電時に使うウォークマンシリーズ共通の「WMポート」などを備える。ヘッドフォン端子は3.5ミリ径のイヤフォンジャックで、専用のノイズキャンセル対応専用ヘッドフォンのほか、別売りのヘッドフォンをつなぐことも可能。ただしその場合にはノイズキャンセル機能は働かない。

CPU(中央演算処理装置)には、10.1型ワイドのアンドロイド搭載タブレット端末でよく使われている米エヌビディアのデュアルコアCPU「TEGRA2」を採用。動きはきびきびしており、アニメーションもなめらか。ストレスを感じることはないだろう。公式のアプリ配布サイト「アンドロイドマーケット」に対応しており、自分の好きなアプリをダウンロードして追加できる。

音質に満足、ノイズキャンセル機能も期待通り

早速、音を聞いてみた。使用した機材は標準添付のノイズキャンセルヘッドフォンのほか、カナルタイプの「MDR-EX600」とヘッドバンドタイプの「MDR-ZX700」。楽曲はビットレートが256ビット/秒のMP3ファイルで、ロックからブルース、インスツルメントまでさまざまな楽曲を用意して視聴してみた。

音質については、うたい文句通りだと感じた。全域で音の曇りは全く感じられず、それぞれの楽器の音がきちんと「立った」印象を受ける透明感の高い音質だ。ハードロックではドラムの破裂音が鮮烈に響き、ブルースハープの余韻は、まるで目の前で演奏しているかのようにゆったりと流れていく。

もともとウォークマンシリーズは音質の高さに定評があり、それが理由で筆者は長年ウォークマンシリーズを使い続けている。NW-Z1000はその期待に応えた十分な音質だった。同じような大きさのスマートフォンや、全体的に音が濁りがちで、個人的にはあまりいい印象のないiPodtouchとは正直比較にならないレベルだと感じた。

ノイズキャンセル機能もかなり有効だ。街中を歩きながら聞いていると雑踏のボリュームが激減し、楽曲の音がよく聞こえるようになる。電車の振動音が非常にうるさい地下鉄の車内で聞くと走行音は聞こえるが、それでもノイズキャンセル機能をオフにした時と比べるとずいぶん静かだ。なおノイズキャンセルの効き具合は、ソニーのウォークマン「NW-A860」シリーズとほぼ同じだった。

アプリは独自の「W.ミュージック」。アーティスト名やリリース年、最近追加した曲などさまざまな条件から検索作業が行えるほか、「アクティブ」「エモーショナル」など13種類の状況に合わせた曲を自動で選曲して再生する「おまかせチャンネル」機能がある。従来のウォークマンシリーズで利用できた機能はほぼカバーする。

W.ミュージックはアプリアイコンをタッチするだけなく、右脇にある「W」ボタンを押しても起動できる。ただしこの場合にはフル画面のアプリではなく、再生操作ボタンと再生中の楽曲名とジャケットのみを表示する。WボタンによるW.ミュージックの起動や音量調整は、画面が消えているときでも行える。

音響関連の機能では、前述したクリアステレオやスタジオやアリーナのような音響効果を加える「VPT」、楽曲間の音量調整を行う「ダイナミックノーマライザー」のほか、内蔵スピーカーでの音質を高める「クリアフェーズ」などを備える。ノイズキャンセルの設定は専用アプリから行う。

検索機能では、散らばったジャケット画像の中からタッチ操作で演奏したい楽曲を選ぶ「カバーアートビュー」がおもしろい。iPodtouch同様、検索性はお世辞にもいいとはいえないが、遊び心のある機能だ。

フルハイビジョン解像度の動画を再生、DLNAにも対応

アンドロイドと高性能なCPUの搭載で大きく機能を拡張したのが動画再生機能だろう。従来のウォークマンは液晶が小さく、CPUの性能が低いこともあって最大でも720×480ドットまでの動画しか扱えなかった。しかしNW-Z1000の独自動画プレーヤー「ビデオプレーヤー」では、1920×1080ドットのフルハイビジョン解像度にも対応できる。

液晶自体の解像度が800×480ドットなのでフルハイビジョン解像度そのものでの再生はできないが、変換作業をせずにNW-Z1000にコピーするだけで再生できるファイルが増えるのはうれしい。iPodtouchでは、広く使われているMPEG-4AVC/H.264形式だと横の解像度は720ドットまでとしている。

実際にサイバーリンクのソフト「MediaEspresso 6.5」を使って作成した、フルハイビジョン解像度の動画をコピーして再生してみた。MPEG-4AVC/H.264形式でビットレートが6メガビット/秒だったが、問題なく再生できた。

画面サイズが大きいこともあり、迫力はかなりのものだ。背面に装備する内蔵スピーカーからの音は、低音域は物足りないが透明感があった。NW-Z1000を手元に置いて気軽にビデオを楽しむ、という用途なら十分だろう。ヘッドフォンを接続すれば、NW-Z1000が搭載する各種高音質化機能を利用して高音質な動画再生が楽しめる。

DLNA(DigitalLiving Network Alliance)に対応した独自のメディア再生アプリ「DLNA」もプリインストールしている。ビデオファイルをNW-Z1000のメモリーにため込まなくても、ほかのパソコンに保存した動画ファイルを再生することが可能だ。メモリーカードスロットを搭載せず、容量を拡張できないので、こうした機能も活用したい。

ビデオ再生時は、画面が回転せず横表示のみとなる。普段は収納しておき、横置き時に本体を安定して机におけるスタンドがあるといいのでは、と感じた。4.3型ワイド液晶を搭載するKDDIの大型スマートフォン「MOTOROLAPHOTONISW11M」(米モトローラ製)ではそうしたスタンドを装備しており便利なのだ。

ソニーの考えるプレーヤーの集大成か

音楽プレーヤーだけなら、過剰装備ともいえる。音質やノイズキャンセル機能はNW-A860とほぼ同等であり、サイズや重さを考えるとNW-Z1000を選ぶのはあまりよい選択肢ではない。ただし音質や動画再生能力に優れる総合的なメディアプレーヤーが欲しいなら、現時点ではもっとも優れた製品といえる。音質もさることながら、動画再生の自由度、表示品質に優れる4.3型ワイド液晶、軽快な操作感など総合的な満足度は非常に高い。

アンドロイドを採用したことで、インターネットや家庭内LANなど、ネットワークとの連携がより緊密になったことにも注目したい。音楽ファイルやビデオファイルに埋め込まれた楽曲名やアーティスト名、アルバム名などから即座にウェブブラウザーを起動したり、YouTubeのビデオファイル検索などが行えたりするのはおもしろい。アンドロイド対応のアプリも充実し、プラットフォームとしての魅力はアップルに拮抗しつつある。

アンドロイドを選択したことのデメリットもある。無線LANやアカウントの設定など、通常のプレーヤーでは必要ない初期設定につまずくユーザーがいるかもしれない。初期設定の流れを詳細に解説したシートを添付したのは、このためだろう。

これまで、さまざまな音楽・メディアプレーヤーを送り出してきたソニー。NW-Z1000はその完成型といえる出来栄えだ。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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