(おくやみ)山下文男氏が死去 災害研究者、「津波てんでんこ」提唱
津波の恐れがあるときは真っ先に避難を優先させる「津波てんでんこ」(てんでんばらばらに逃げる)を提唱した岩手県の災害研究者、山下文男(やました・ふみお)氏が13日午前0時34分、肺炎のため盛岡市の病院で死去した。87歳だった。自宅は同県大船渡市三陸町綾里石浜22の1。告別式は17日午後1時から同市盛町みどり町20の1の花祭苑。喪主は長男、允一氏。
岩手県三陸町(現大船渡市)出身。1933年に昭和三陸大津波を9歳で体験。明治三陸大津波(1896年)で祖母が亡くなったこともあり、独学で津波の歴史を研究。在野の研究者として、講演や著作を通じ防災教育の大切さを訴えてきた。東日本大震災後も病床で迅速な避難の重要性を指摘していた。