米大統領選、共和党アイオワ州党員集会はロムニー氏が勝利

米大統領選・アイオワ州共和党党員集会、ロムニー氏が勝利
1月4日、米共和党関係者によると、米大統領選のアイオワ州共和党党員集会は、前マサチューセッツ州知事のロムニー氏(写真)がわずか8票の僅差でサントラム元上院議員に勝利(2012年 ロイター/Brian Snyder)
[デモイン(米アイオワ州)/ワシントン 4日 ロイター] 米大統領選で共和党の候補者指名争いの幕開けとなるアイオワ州党員集会が3日夜開かれた。共和党の発表によると、同党員集会では前マサチューセッツ州知事のロムニー氏がわずか8票の僅差でサントラム元上院議員に勝利した。
発表によると、ロムニー氏の得票数は3万0015票、サントラム氏は3万0007票で、得票率はともに25%。
ポール下院議員が21%で3位、4位がギングリッチ元下院議長で、5位はペリー・テキサス州知事となっている。
ロムニー氏は経済界の支持が厚く、サントラム氏はキリスト教保守派の支持を固めているとされる。ポール氏はリベラル、若年層に人気だ。
ロムニー氏は潤沢な資金と組織力で知られ、1週間後のニューハンプシャー州予備選でも優位とされている。サントラム氏はこれまで目立っていなかったが、ロムニー氏に代わる保守派として勢いをつけている。
サントラム元上院議員は支持者に対し「勝負は続いている」と訴えた。同氏はアイオワ州党員集会での躍進に賭けていたが、資金力に乏しく、選挙キャンペーンもぎりぎりの状態で行っているため、他州での予備選で戦い続けることが困難になる可能性もある。
ペリー知事は5位に低迷したことを受け、選挙運動を継続すべきか決めるため、いったん地元のテキサス州に戻る考えを示した。支持者に対し「テキサスに戻ることを決めた。今夜の党員集会の結果を分析し、候補者指名レースで私に展望があるかどうかを見極めたい」と述べ、選挙戦からの撤退の可能性を示唆した。
ギングリッチ元下院議長はアイオワ州党員集会では4位に終わったが、候補者指名レースを続行する方針で巻き返しを図っている。このところ支持率を大きく下げているギングリッチ氏だが、1月21日にサウスカロライナ州で行われる予備選までは選挙戦にとどまる可能性が高く、同州の保守派層の支持に期待をかけている。
1月10日に行われるニューハンプシャー州の予備選ではロムニー前マサチューセッツ州知事の楽勝が予想されており、共和党の候補者選びの序盤の主戦場はサウスカロライナになるとみられる。
共和党の候補者は11月6日の大統領選で民主党のオバマ大統領に挑戦する。
アイオワ州の党員集会は歴史的に見て、大統領候補を決定するというよりも、候補者を淘汰するという意味合いが強い。ただしここで勝利すれば、その後の党員集会・予備選で大きな追い風となる可能性がある。
共和党の大統領候補者指名争いは混戦状態で、大半の候補者はこれまでに少なくとも1度は、世論調査で支持率が首位になったことがある。
オバマ大統領は3日、民主党支持者に対し、自らが多くの公約を果たしてきたことを強調した上で、まだやるべきことは残っているとし、大統領再選への支持をあらためて呼び掛けた。
大統領は、有権者とのビデオチャットで、2008年の選挙戦を振り返り、今年も当時と同じ活力と熱意が必要だと指摘。「大きな戦いになる。みなさんの態勢が整っていることを望んでいる」と語った。また、イラク戦争の終結や医療制度改革、金融規制改革などを、果たしてきた公約として挙げた上で、「われわれにはまだやるべき仕事が多く残っている」と述べた。08年の選挙戦でのスローガンだった「希望と変革」を依然として確信しているかとの支持者からの質問には「私は実際、当時よりも楽観的な考えを持っている。なぜならすでに変革を目にしているからだ」と答えた。
オバマ大統領は4年前の大統領選の民主党候補者指名争いで、アイオワ州党員集会での勝利をきっかけに躍進し、それまで世論調査でリードしていたクリントン氏を打ち負かした。
*内容を追加します。

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