欧州基金債とスペイン国債、順調に入札
【ロンドン=松崎雄典】欧州の金融安全網である欧州金融安定基金(EFSF)は17日、期間6カ月の債券を発行し約15億ユーロ(約1450億円)を調達した。米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が長期債務格付けを「トリプルA」から「ダブルAプラス」に1段階引き下げた直後とあって市場関係者の注目を集めたが、需要は堅調だった。
調達額の3倍強となる47億ユーロ弱の応募があった。日本政府は1億2千万ユーロを購入した。平均落札利回りは0.2664%と、S&PにダブルAプラスに格下げされたフランスの6カ月物国債の流通利回り(0.3%台半ば)に比べて低かった。
他の大手格付け会社がトリプルAを維持していることや、すでに格下げを織り込んでドイツ国債などに比べ利回りが上昇(価格は低下)したことが、EFSF債の需要につながっているもよう。
スペインが17日実施した期間1年と1年半の国債入札は、平均落札金利がそれぞれ2.049%と2.399%と前回の入札より低下した。需要も堅調で約49億ユーロ(約4750億円)と目標上限に近い金額を調達した。流通市場ではスペインの10年物国債利回りは5.1%前後と前日に比べやや低下した。
欧州中央銀行(ECB)が昨年12月に銀行に大量に資金供給して以降、南欧諸国の国債入札は順調な結果が続いている。ECBの資金が一部国債市場に流れているとの見方もある。