ニュートリノの光速超え、「時計誤作動の可能性」
国際研究チームが発表
「素粒子ニュートリノは光よりも速く飛ぶ」との観測結果が誤っていた可能性が見つかったことについて、名古屋大などが参加する国際研究チームは23日、光ファイバーケーブルに見つかった緩みのほかに、実験全体を制御する時計が正しく動作していなかった恐れがあると発表した。
ただし、時計が正しければニュートリノの速度はもっと速い結果となる。一方ケーブルの問題が主要因であれば、速度は遅くなるという。研究チームによると、この時計は、全地球測位システム(GPS)の時計と同期させて使用していたはずだったが、うまく同期できていなかった恐れがある。
発表は、光より速いものはないとするアインシュタインの相対性理論の前提を覆すことから、世界中の科学者から「検証実験が必要」との声が上がっていた。研究チームと同じイタリアの研究所で観測を続ける国際チームICARUS(イカルス)なども、同時期に別の検証実験を計画しているほか、米国でも追試実験が予定されている。
小松雅宏名古屋大准教授は「検証実験を5月上旬から2、3週間かけて実施する」としている。