ミラーレス一眼お薦めランキング

 一眼レフ持ちだが、小さくて絵が良いミラーレス一眼をそろそろ買おうと比較検討し、はたと気が付けば累計何十時間と時間を投下していた。一応どれが良いとの結論が出て、ランキングまで作ってしまったので、備忘録的に書いておく。

ミラーレスの意義とは?

 現在ニコンの一眼レフを、フィルムを入れて四台所有しているが、やっぱり重いので、一眼レフを持ち出す程では無い時にはコンデジを持ち出している。日帰りでどっか行く程度で、ちょっと一眼レフは重いなぁと思う時には、よくパナソニックのLX3を持っていく。こいつは軽くて、コンデジにしては画質はいいけど、やっぱり一眼レフと比べると差は大きい。この重くて画質がいいか、軽くて画質は普通かは、長年続いたカメラ業界のトレードオフである。最近話題のミラーレス一眼とは、軽い割に絵が良く、このトレードオフを埋めんとする存在なのである。

画質って一体なに。

 画質というのは抽象的な概念だが、自分の中では5つの要素で考えている。なるべく噛み砕いて書くが、()内は適切な用語を使ってより正確に書いたものである。

  • 色の正確さ
  • ボケの大きさ(=被写界深度の自由度の高さ)
  • 明るい所と暗い所の両立度合い(=ダイナミックレンジの広さ)
  • 暗い時のノイズの少なさ(=高感度性能)
  • 解像度の高さ(=画素数)

といった所だが、実はこれらは概ねカメラのセンサーサイズに比例して良くなったり悪くなったりする。センサーサイズが大きければ全般にいいし、小さければ逆だ。正確に言えば、上から4つはセンサー全体の大きさより、一画素あたりのセンサーサイズ(センサーサイズ÷画素数)に比例しているし、各社のソフトウェア的な画像処理でも変わる。ただ、画素数は、前書いたニコンD800の3600万画素みたいな突然変異を除けば、殆どが1000万画素台で概ね上記割り算の分子が同じとなった。これは、A4へのプリントなど、通常の用途における解像度は1000万画素でも十分過ぎるからだ。画像処理もかつてはフジフィルムやキヤノンが良かったりしたのだが、これも差が縮んで好みの世界に入ってきた。よって、センサーサイズと上から4つの画質は比例すると考えていいだろう。また、一番下の解像度の高さについては、センサーサイズより直接的には画素数に比例するのだが、上記の通り多画素にして一画素あたりのセンサーサイズが低下すると他4つの性能が低下するというトレードオフの関係にある。だから、センサーサイズが大きい方が、その他の画質を保ったまま多画素に出来る事になり、結果的にこの解像度とセンサーサイズも概ね比例する事になる。事実、一般的な一眼レフで一番大きなフルサイズと呼ばれるセンサーだと、解像度を捨てて感度に特化したカメラを除けば、2100〜3600万画素、次に大きなAPS-Cサイズのセンサーだと1600〜2400万画素、フォーサーズというその次だと1200〜1600万画素と、大体比例している。これらを踏まえて、画質の良し悪しは、センサーサイズの大小にて判断することとした。
 この辺りは意外に認知されていない所で、センサーサイズはメーカーお得意の数値比較が出来る分野だから、もう少し宣伝しても良いと思われる。例えば、一般的なコンパクトデジカメの30倍大きいセンサー使用で良画質!とか。凄そうに聞こえないだろうか。

ミラーレス一眼の比較・選択軸

 この画質の良し悪しも含めた、自分としてのミラーレス一眼の選択軸は下記の通りである。

  • 画像入出力の質
    • 画質≒センサーサイズ
    • HDR*1の有無(明暗差が大きいシーンで、合成により人の視覚に近い絵にする機能)
    • レンズの充実度
    • 背面液晶の質(大容量SDカードの普及により、背面液晶で写真見る事が増えた為)
  • 軽さ
    • 本体の軽さ
    • レンズ込みの軽さ
  • 正確に撮れるか
    • AFの速さ
    • ファインダの有無、質
    • 手ぶれ補正
  • 実売価格

 色々比較軸は有る様で、実は整理してみると大きく4つの軸しか無かったというのが実感だ。もちろん、他にも沢山機能は有るんだけど、この秋冬から殆どの機種がフルHDになったとか、他は余り差が大きく無いと判断した。よって、この4つの軸で、幾つかの候補機種をさんざん店頭で試し、カタログスペックを舐める様にチェックしてみた。途中寝落ちして実際にカタログを舐めてた事も有ったかもしれない。最近のカタログは濡れても色落ちしないので、寝落ち派に変な化学物質を摂取する心配が無いのは寿ぐべき事である。さて、対象機種としては、各社の中上位機種という事で、ソニーNEX-7NEX-5NオリンパスPEN-E3・EL3、パナソニックGX1、ニコンV1とし、参考比較として一眼レフからニコンD5100、コンデジからキャノンS100をピックアップしてみた。

4つの留意点

 比較するにおいて四つミソがあるが、一つ目はレンズ込みの軽さの時に各社の10倍ズームレンズで比較した事だ。毎日持ち歩く人には、標準の3倍ズームか単焦点レンズで比較すべきだと思うが、僕は用途としてちょっとした外出の時に持って歩く事を想定し、毎日持って歩くのはコンデジで良いと思っている。なので、今の一眼レフでの旅における10倍ズームの出動率の高さを考えると、ミラーレス一眼においても、便利な"旅レンズ"たる10倍ズームが主な伴侶になると想定した。
 二つ目は自分にとって凄く重要になっている事だが、背面液晶の質だ。32Gとかの大容量SDカードの普及によって、ちまちまPCに写真を落とさず、そのまま画像を入れっぱなしにして、カメラで絵を見たり、人に見せたりという事が増えた。なので、幾らイメージファイルの画質が良くても、背面液晶がイマイチだと、その良さが全くスポイルされてしまう。ディスプレイやプリントがダメなら、幾ら良い写真撮っても意味が無いのと同じ事が、カメラの背面液晶にも最近言えてきたと感じる。
 三つ目はファインダの有無だ。一眼レフを使った事が無い人には不要に思えるが、カメラというのはコンデジの様に両手で胸の前に構える方式だとブレやすい機械である。カメラが、ファインダを見て、顔の前に構える形式で長年残ってきたのは、それが一番しっかりとホールドしてブレにくいというのも一因である。普段外で撮っている分にはさほどの差は無いが、夕焼けとか花火とか、暗い時間帯のひとときを綺麗に撮るには、やはりファインダが有った方がいい。なお、ミラーレス一眼特有の電子ファインダは、暗い所において、暗視スコープの様にゲインアップして明るく見せる事が出来て、これは一眼レフに対する一つのメリットである。
 最後の四つ目が、AF(オートフォーカス)だ。普通の一眼レフとミラーレス一眼との差は、大きくはAFの違いである。ミラーレス一眼が一眼レフに対して絵が同じで軽いだけなら圧倒的に有利という事だが、よろず物事にはトレードオフがある。特に動きものに対してのAFの速さと正確性がミラーレス一眼の弱点であり、これと軽さがトレードオフという事だ。ここは、カタログスペックでは何とも、という領域だし、昔みたいに取り敢えず全部買って、室内で試してから要らないの「フィールド未使用」としてヤフオクで処分し、送料以外ほぼ回収、みたいな横暴をする程勢いも無いので、量販店や展示会でひたすらシャッター押して、自分の感覚として評価した。それでは以下に比較表を掲載する。

比較表





SONY NEX-7

SONY NEX-5N

PEN E-P3

PEN E-PL3

画像入出力の質

画質≒センサーサイズ



23.5×15.6mm



23.5×15.6mm

○ 

17.3×13mm

○ 

17.3×13mm

HDRの有無





近いもの有

近いもの有

レンズ充実度









背面液晶の質



92万ドット



92万ドット



61万ドット

×

46万ドット

軽さ

本体の軽さ

350g

269g

369g

313g

レンズ込みの軽さ

874g

793g

629g

573g

正確に撮れるか

AFの速さ



△〜×





ファインダの有無・質

有、良い

オプション

オプション

オプション

手ぶれ補正

レンズ補正

レンズ補正

本体補正

本体補正

価格

(標準レンズキット)

実売11.2万

実売5.7万

実売7.4万

実売5.1万





LUMIX GX1

NIKON V1

NIKON D5100

Canon S100

画像入出力の質

画質≒センサーサイズ

○ 

17.3×13mm



13.2×8.8mm



23.6×15.6mm

×

7.6×5.7mm

HDRの有無

無?

無?





レンズ充実度



×





背面液晶の質

×

46万ドット



92万ドット



92万ドット

×

46万ドット

軽さ

本体の軽さ

318g

383g

560g

198g

レンズ込みの軽さ

778g

913g

1125g



正確に撮れるか

AFの速さ







×

ファインダの有無・質

オプション

有、普通

有、良い



手ぶれ補正

レンズ補正

レンズ補正

レンズ補正

レンズ補正

価格

(標準レンズキット)

実売5.8万

実売4.8万

実売5.4万

実売4.0万

ソニーはデカ重だけど画質良し

 まず個別のメーカー毎に所感を述べると、まずソニーの2機種は、本体の軽さと画質の良さの両立が素晴らしいのだが、センサーが取り分け大きいのでレンズも必然的にでかくなり、500g超の10倍ズーム付けると破壊的な重さになってしまうのは致命的だ。標準レンズも、194gと、他社製が軒並み100-120gに収まる中、そこそこ重くて大きい。ただ、その程度なら大差じゃないと思うが、10倍の方は、これ付けたら一眼レフから多少軽くなったかな、という重量になってしまい、僕には魅力度が低い。また、レンズシステムが未だイマイチだ。今後の発売ロードマップは公表されており、これが全部出て16本のレンズが揃う2013年には結構使えるシステムになるのだと思うが、それまでは忍の一字である。また、旅に出た時は、料理を撮る機会が増えると思うが、その時に活躍するレンズは、接写が得意のマクロレンズである。それが現状のしょぼい一本だけで、ロードマップに追加的な商品の予定が無く、将来的にも弱点として残りそうだ。あと、ソニーや、そのカメラビジネスの前身であるミノルタは、伝統的にレンズが相対的に高価な傾向があり、そこも潜在的マイナスだと考える。一眼レフを持たず、こっちがメインシステムなら多少コストが掛かっても構わないかも知れないが、サブとして考えると、重さとコスパ双方が気になった。一方、AFはちょっとラグがあるが、概ね満足できるレベルだ。5Nより7の方が僅かに速く思えたが、これはシャッターフィーリングとかの感性的な部分も含めての”速い感”かもしれない。但し、5Nと7は倍の値段だが、シャッターフィーリングを含めたNEX-7の性能的アドバンテージはそれを正当化できる程では無い。画素数NEX-7が多いが、画素数を上げても画質の向上に単純には繋がらないのは、一画素辺りのセンサーサイズが画質にとって重要と上に書いた通りである。

  • SONY NEX-5N ;たまにソニーは異形のものを出すが、これはその系譜だろう。センサーが大きいので標準レンズでも随分でかい。
  • 画像は各社ウェブサイトより

オリンパスパナソニックは似ているがオリンパス優位

 オリンパスパナソニックは、同じセンサーサイズの共通フォーマットで、ミラーレス一眼において先行しただけにレンズも充実している。オリとパナの主要な差は手ぶれ補正方式である。オリはボディ内補正であり、パナはレンズ式補正だ。パナはそれ故に必然としてレンズが重くなる。なので本体重量は同等でも、レンズ込みだとパナがビハインドだ。標準レンズはパナが凄く頑張って、レンズ式補正なのにパナの方が僅かだが約20g軽いので寧ろパナ有利という感じだが、10倍ズームになるとオリの方が逆に200g程度軽く、この差は大きい。結果として、10倍ズームを付けた時、オリンパスは他社比ずば抜けて軽いシステムとなる。同じく、広角ズームや望遠レンズも、手ぶれ補正をレンズに付けなくて良い分、オリンパスの方が軽くて小さい。一般的に一眼レフでもコンデジでも、レンズ式補正の方が手ぶれ補正は強力だが、オリンパスのボディ内補正に限っては、ほぼレンズ式補正と同等レベルである。なので、どんなレンズでも強力な手ぶれ補正が効くのは有り難い。レンズシステムそのものの充実度は上述の通り、他よりもシステムの発売が先行した分だけ良く、ここは文句が無い。唯一標準プライムズームが欲しいくらいか。12-60mm f/2.8-4とかが出ると穴が無くなるだろう。バランスの取れた二社だが、このオリとパナの2メーカーなら、僕は手ぶれ補正方式の違いに由来するレンズの重量差でオリンパスだと思った。あと、パナソニックの背面液晶はしょぼく、撮ったものをすぐ見る時の喜びに欠ける事も付言しておく。GX1のセンサーは新開発の高精細を謳うものだが、それで撮った写真を見る液晶が低精細なのは意味が分からない。設計ミスだろう。同じく背面液晶がしょぼい下位機種のGF3との価格差は割に大きいから、これならGF3を買った方が良い。

  • OLYMPUS PEN E-P3 ;PENのデザインは新しくはないけど、まとまりはある。標準レンズは大きくも小さくもなく。

ニコンは子供撮り向け?

 最後にニコンだが、一番小さいセンサーサイズなのに、このボディやレンズの重さは理解不能だ。センサーが小さければ比例してボディもレンズも小さく出来る筈なのに、特に10倍ズームレンズは、センサーサイズが格段に大きいソニーや自社一眼レフのそれと重さが変わらない。ニコンは耐久性とかの社内基準が厳しいのかもしれないが、標準レンズはさして重くない一方で、これだけ異常に重い。さすがにこれはシステムへの最適化が十分でない、やっつけ仕事だと批判されても仕方ないだろう。これでは小さいセンサーサイズによる画質のデメリットだけが際立つ。勿論、コンデジと比べたらV1であっても遙かにセンサーサイズは大きく、コンデジ対比の優位は揺らがないのだが、他のミラーレス一眼と比べた時の差は否めない。また、出たばっかりの機種なので、レンズシステムがまだしょぼいのは已むを得ないが、発売ロードマップも6本に過ぎず、今の4本と合わせて計10本と一通りは揃うが、他のシステムよりは充実度が劣る。この辺はメインは一眼レフを使う層のサブシステムとしての用途を想定し、ある程度揃っていれば良いという考えなのだろうか。確かに、デジイチ初期のニコンAPS-Cレンズもこんな感じで、数年してようやく他社以上に充実した気がする。
 とりあえずクソミソに言ってみたが、一方でこの機種の売りであるAFは本当に素晴らしい。ニコンの方式はミラーレス一眼の弱点を排した独自のハイブリッド方式で、一昔前の一眼レフよりも速いかもしれない。動体への追従度も高いので、よく動く子供とかを撮るそうなら、そもそも失敗が少ないこれが一番だろう。画質や重さより、まずはピンが合ってないと写真として話にならないからである。その場合には、センサーサイズが小さい事の唯一のメリットとして、他のミラーレス一眼と比べてボケない事もプラスとなる。ボケるという事はピントが厳しいという事でもあるから、AFが速くボケにくい機種は、ピンを外す事が少なくなる。ミラーレス一眼や一眼レフが初めて、という層には写真の打率という意味では良いと思う。あと、シャッターフィーリングも良かった。撮ってる快感はこのミラーレス一眼の中で随一のものだ。背面液晶もいい。そういう意味では、手ぶれ補正レンズを付けて屋外で走り回る子供を撮り、それを直ぐに横で共有したりするシーンにはずば抜けてフィットするだろう。また、画質という長打力は他に譲るが、そこそこちゃんとした写真を撮れる打率は高く、初心者のライトユーザーには良い。そんな明確なターゲットを定めて開発したカメラだと感じている。最後に中上位機種なのに、比較的価格が安い所も良さではある。

  • NIKON V1 ;ニコンの一眼レフユーザーとは違う層を向いたのが良く判るデザイン。10倍ズームは巨大だが、標準レンズは軽くて薄い。

コンデジの利点はマクロ機能

 あと、比較対象としての一眼レフと高級コンデジだが、まず一眼レフは重い。それは明らかである。その重さに見合うAFの速さや画質のメリットがあると感じるかだ。それが有ると思えば一眼レフは意外に高く無い。そしてコンデジだが、小さくて画質のいい10倍ズーム機というのが無いので、アンフェアな事を承知しながら参考比較の対象として5倍ズーム機を選択した。価格面では、高級コンデジとミラーレス一眼や一眼レフの中下位機種はさほど差がなく、小さくする事のコストを改めて認識する。僕はもともとコンデジの画質には満足できないから、そもそもミラーレス一眼を検討しているが、高級コンデジかミラーレス一眼かは、この画質に妥協できるかが最大の分かれ目だろう。また、コンデジはより大きなセンサーを積むフジフィルムX10にしても、接写してボカすマクロ機能を内蔵している為、マクロは専用のレンズを揃えないといけない一眼勢と比べて、見た目より更に軽くて安価である事は付け加えておこう。その点僕も、旅に出る時は10倍ズームが多いが、それ以外の時はD7000に1:2の簡易マクロ機能が付いた28-105mmを専ら付けている。

  • Panasonic LUMIX GX1 ;同社のコンデジと共通した、新しくもクラシックでも無い独特のデザインテイスト。標準レンズは薄くて良い。

総合評価

 以上を踏まえると、総合評価においても、軽さと画質のバランスという元来の眼目からしても、オリンパスE-P3に傾いている。メインマシンならソニーも有りだと思うし、子供撮るならAF重視でニコンも有りだ。ただ、一眼レフをメインに使って、こっちはサブであり、かつ子供撮りニーズの無い自分としては、軽さと画質がバランスしたオリンパスE-P3かなと思っている。より軽いE-PL3の背面液晶がもっと良ければこっちにするのだが、そこは残念だと思うところだ。メーカーにしたら、それ位しかモデル間の差別性を作れなかったのかもしれないが、92万ドットの背面液晶見た後に46万ドットの背面液晶を見た時の萎え感は拭えない。これは是非自分の目で比較してみる事をお奨めする。また、オリンパスは上述の通り、レンズが全般に軽いから、10倍ズームに加えて、45mmマクロに20mm f/1.7、9-18mm広角ズームあたりから2つ位付け加えても、他社のシステム並みの重量に収まるのは大きなメリットだ。何てったってミラーレス一眼は、AFと引き替えに軽いのが一眼レフに対する最大のメリットの筈だし、そこに忠実に製品が作られているのが良いのである。

コンセプトに忠実に作って欲しい

 一方、パナソニックニコンの機種を批判的に書いたが、これは高画素センサーを積んだのに液晶が低精細とか、小さいセンサーなのに重いとか、コンセプトに対してスペックが忠実でない様に見受けられるからである。仕事柄かもしれないが、その商品の最大のメリットは何か、また他の要素はそのメリットを損なっていないか、というマーケティング的なコンセプトの一貫性は非常に気になるし、実際に使い勝手に大きく影響する。その点、でかいセンサー積んで画質面に優位性があるソニーが、下位機種のNEX-C3まで92万ドットの背面液晶を積んで、綺麗に再生出来る事を担保していたり、オリンパスがボディ内手ぶれ補正を活かして、軽いレンズを揃え、トータルで一番軽いシステムを保っていたり、両社はその辺り上手く企画し、作ってあるなと感じている。
 最後に、自分的ランキングと、自分以外にどんなユーザーに向いているかを参考まで下記に挙げておく。参考になれば幸いである。



自分的ランク

機種名

所感・どんなユーザー向きか

1

オリンパス PEN E-P3

他社の中級機と比べてやや高価だが、相対的なバランスが良い。デザインも特徴ある。価格が納得できれば万人に向く。

2

ソニー NEX-5N

レンズ込みだと重くて高価であり、AFも少し違和感があるが、全体のバランスはまずまず。メインのシステムとして画質の長打力を期待するユーザーに。

3

ニコン V1

画質比で軽くないのが難点。子供撮りユーザーと、打率高くそこそこの画質を撮りたいライトユーザーにはフィットする特徴で3位に。10倍ズームよりダブルズームで。あと比較的安価。

4

パナソニック LUMIX GX1

下位機種のGF3との価格差が大きい。背面液晶が悪く、ほぼ同じ重さのNEX-5Nに全体的に負け、特徴が無い。液晶が気にならず、企業としてのオリンパスが嫌いな人向き。

5

オリンパス PEN E-PL3

背面液晶が悪く、下位機種のE-PM3との差異性に乏しい。可動式背面液晶とフルHD動画が必須で、かつ小さいマシンが欲しい人に。

6

ソニーNEX-7

ファインダがいいし、AFも速く感じたが、NEX-5Nの倍の値段の価値は無いだろう。ブルジョワ、多画素派向き。この価格ならX-Pro1と比較したい所。

*1:HDRの効果はこの辺りが判りやすい:ITmedia +D モバイル