北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

最近の書店事情~本は売れるのか

2012-03-12 23:45:11 | Weblog
 地元の大きな書店を訪ねて、最近の書店事情について伺ってきました。

「最近、新宿のジュンク堂が閉店になると聞きました。最近は大手の書店が儲からないんでしょうか」
「はい、少なくともビルのテナントとして入って賃料を払うようでは商売にならないと思います。自社ビルでならなんとかなると思いますが」

「それでいてなお何とかなっているところはどうなんでしょう?」
「書店によっては、外商部があって店で売るのと同じくらいを注文で受けたり、特定の本を納入するパイプをもっていることでなんとか商売になっているところがあると思います。しかし、店頭での本の売り上げだけで商売をしている書店というのは本当に数えるほどだと思います」


  【書店は楽し】




「今日、まち中から小さな書店が消えて行っても、それでも商売にはならないのですか」
「小松さん、どうしてまち中から書店が消えたかご存知ですか?彼らは大手書店との競合で消えたわけではありません」

「といいますと?」
「駅の近くの小さな書店というのは、週刊誌や月刊誌が商売の源だったのです。それらは一週間で必ず売れていって在庫にはならずに確実にお金が入る商品でした。ところがそこに出てきたのがコンビニエンスストアです。売れ筋の雑誌だけを選んで置かれるとそちらに多くのお客さんが流れて行って、それで商売が成り立たなくなったんですよ」

「アマゾンを始めとするネット通販もありますしね」
「ほう、小松さんはネットによる本の売上って、本全体の売り上げの何パーセントくらいだと思っておられますか?」

「えー…、10%くらいにはなりませんか?」
「いえいえ、実はずっと低くて、せいぜい3%くらいじゃないかと思っています。消費者はまだまだリアルに本を買っているんです。注文で明後日届くような本では我慢できずに、すぐ行ってすぐ買ったり、あるいは本屋をぶらぶらしながら買ってくださる、というわけです」

「なるほど」
「しかし現実には、書店が消えていることで、住いの近くに書店がないというところがどんどん増えています。そういうところでは背に腹は代えられずにネットで注文して届けてもらうという需要が増えることでしょう」


 なあるほど、書店ビジネスにもいろいろな事情があるようです。


    ※     ※     ※     ※     ※



「ところで最近のお客さんの動向で面白いことはなにかありますか?」
「はい、お客様の衛生観念でしょうかねえ」

「衛生観念…ですか?」
「はい、平積みの本などを見ていても、一番上にある本は誰が触ったか分からないというので、一番下から取り出して買われるお客さんが多いのですが、特にそれは女性に顕著だと思います。古本屋の利用でも、女性は持ち込む方は多くてもそれに比べると、そこから買われる方は少ないのではないでしょうか。そこでもやはり『誰が使った本か分からない』という気持ちの悪さを感じているように思います」

「そうだとすれば図書館の利用などは好まれないということになりましょうか?」
「調べてみられると面白いかもしれませんよ。衛生観念が公共施設の利用にどのように影響しているものか、ね」


 社会のいろいろな変化が公共施設の在り方に影響するというのは面白い。

 それにしても、本って売れなくなっているんですね。

 電子書籍が広がるとどのような社会になるのかも興味半分、不安半分というところです。

 良書は買い求めるのが良いと思います。
 
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