夏休み中、ツレと小学生の娘・息子と共に、八ヶ岳の赤岳に登った。
それまで、このメンバーで鳩待峠からの尾瀬ヶ原から始まり、筑波山、金時山、蓼科山、北八ヶ岳、中房温泉から燕岳・大天井岳等と登ってきた。
また、家族で行くコースは、必ず、自分でも歩いたことのあるコースと決めていた。いずれも、車で行っているので、「周回」または「ピストン」である。また、宿泊は全て小屋泊まりである。
今回の赤岳山行は、美濃戸から行者小屋・地蔵尾根・赤岳展望荘・赤岳山頂・文三郎道・行者小屋・美濃戸というコース取りで、途中赤岳展望荘で宿泊。という計画である。
このコースも2ヶ月ほど前、実際に自分で歩いていた。
当日は、未明に千葉を出発し、美濃戸に車を止めて、歩き始めたのはまだ薄暗い時間からだったと思う。
「ゆっくり、ゆっくり」がモットーである。コースタイムの少なくとも2倍の時間を見ている。
広い河原を過ぎて、やがて行者小屋に到着。
しばらく休憩の後、地蔵尾根に取りつく。
急登も、全員割と元気である。
登りきり、稜線に出るとすぐに赤岳展望荘である。
この小屋は個室がたくさんあり、料金も個室にしては割安である(現在の状況は分からない。)。
小屋に主な荷物を置いて、赤岳山頂に向かう。
ここまで、天気は絶好であった。
山頂の景色を堪能してから、展望荘に戻る。
私は、少し気分が悪かった。「ゆっくり、ゆっくり」ではあったが、少し「高山病」気味か?子どもらとツレは、いたって元気である。
夕食は、バイキング!山菜料理が並ぶ、宿泊客それぞれが好きなものを好きなだけ食べることができる。中でも人気は、やはりタラの芽の天ぷら。出たそばからなくなっていく。
翌日はもう一度、赤岳山頂に登ってから、文三郎道を通って下山する予定である。
しかしその日は、昨日とうってかわって、天候がすごく荒れている。雨はほとんど降っていないが、尾根を越える風がものすごい。重たい私でさえ、吹き飛ばされそうである。
私は、選択肢を三つ考えた。
1.予定通り、山頂を経由して文三郎道を行く。
2.昨日の逆コース。地蔵の頭から地蔵尾根を下る。
3.もう一日、山小屋に停滞する。
まず、1.は、風が強すぎて論外である。
3.は、今後天候が回復する見込みが少ない。
というわけで、2.を選択した。
下り始めれば、風も少しは収まるだろうという、「期待」もあった。
小屋から地蔵の頭までは、距離的にはごくわずかだが、風がなにしろ強すぎる。正直、今まで経験したことのないような強さである。
全員で、身をかがめて出発した。
幸い所々に狭いながら身を寄せることのできる岩がある。
強風も、ときどき「息づいて」弱くなる瞬間もある。
私は、行くべき岩陰を指示して、風の息づかいを読む。
風が弱くなった瞬間に、「それ!」と言って、一人ずつ少しずつ、次の岩陰に進むように、声をかける。
しばらく、そのようなことを続けながら、地蔵の頭から地蔵尾根を下り始める。
幸い、下り始めると山陰に遮られたのか、風がぐっと収まってきた。
その後は順調に、しかし注意は怠らないようにして下ってゆく。
行者小屋にようやく到着して休憩。
美濃戸まで距離的にはまだまだ長いが、本当に「ホッ」とした。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する