広報ブログ

シックス・アパートの広報より、社内のさまざまなトピックをお届けします。

リアルタイム・マーケティング最新事例! CM Summit 参加レポート

ニューヨークからこんにちは。シックス・アパートの関です。

たくさんの方が新iPhoneを一目見ようと詰めかけたアップルのWWDCの完全に裏番組になってしまいましたが、ニューヨークは毎年この時期に「Internet Week New York」を実施していて、インターネット関連のさまざまなイベントが開催されています。

私は昨年に引き続き、Federated Media Publishing (FM)社が主催する「Conversational Marketing SummitCM Summit)」に参加しました。

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CM Summitは「Conversational Marketing (会話型マーケティング)」というタイトルが示す通り、主にソーシャルメディアを利用した新しいマーケティングについて、ユーザー企業の実際の事例などを通しながら、知識を共有していくような感じのイベントで、FMのCEOであるJohn Battelle氏がホストとして仕切っています。

Battelle氏は先週のD8 Conferenceで、アップルのSteve Jobs氏へのインタビューアーとして登場するなど、ジャーナリストとしても著名で、2005年にグーグルについて深く取り上げた「The Search (邦題: ザ・サーチ グーグルが世界を変えた)」も彼の著書です。

オープニングの基調講演で彼は「モバイル」「ローカル」「リアルタイム」を取り上げて、iPhoneやFoursquare(位置情報を使ったソーシャルアプリ)、TwitterやFacebookの現状を説明しながら、「Social has taken off! (ソーシャルは完全に離陸した)」と締めくくりました(細かい数字などは以下の講演資料をご覧下さい)。

他にも、アドビシステムズによるソーシャルメディアの事例と効果測定の結果紹介(スライド)や(なんとアドビのマーケティング予算の74%がデジタル・マーケティング!)、シスコシステムズによるコミュニティを活用したマーケティング事例(スライド)など、興味深い事例がたくさん紹介されました。

またソーシャルメディアのプラットフォームを提供する企業からも、位置情報を使ったソーシャルメディアFoursquareの共同創業者や、Googleに買収されたモバイル広告AdMobのCEO、TwitterのCOOなどが登場し、最新のサービスや事例について紹介していました。

印象に残ったのは、クリエイティブ・エージェンシーMoxie InteractiveのCEOであるJoel Lunenfeld氏の「Marketers think more like video dame developers than reality show producers (マーケッターはビデオゲームの開発者のように考えよう)」というフレーズ(スライド)。楽しんでもらうことが、最終的に、会社やブランドへのエンゲージメントを高めることができる、ということでしょう。

ソーシャルは「効率重視」ではなく「ブランド」「エンゲージメント」の向上

昨年と比べて決定的に変わったと感じたのは、昨年にも増して、ソーシャルメディアやソーシャルマーケティングは、短期的な効率(低コスト)を求めるものではなく、長期的なブランドの醸成やエンゲージメント(ブランドへの親近感や肯定的な関わり方、というようなニュアンス)向上のためのもの、ということを、ほぼすべてのユーザー企業が当たり前のように語っていたこと。

もちろん効果測定のための指標は設定しているものの、短期的で一元的な指標(例えばクリックスルーレート)ではなく、長期的な視野に立って複数の指標を総合的に見ていることが伺えました。

「どういう測定指標を使っているのか?」という会場からの質問に対して、まず自社のマーケティング戦略を決定し、それを実現するための測定指標を設定すること。そして重要なのは「キャンペーンの最後に数字をまとめて成果を測るのではなく、毎日のように指標をチェックし、キャンペーンそのものを微調整していくこと」と、ほぼすべての登壇者が口を揃えていました。

「リアルタイム」というのは、ユーザーがリアルタイムに位置情報やステータス(つぶやき)を更新していくことに因んでいますが、マーケッター側も「リアルタイム」に施策を修正していけることこそが、リアルタイム時代のソーシャルマーケティングの要諦かもしれません。

セミナーでエッセンスをご紹介します

CM Summitは2日間に及ぶイベントで、非常に多くのプレゼンテーションがありました(多くのスライドが公開されています)。ただしスライドは英語ですし、パネルディスカッションなどの内容はカバーされていません。

そこで、今回のCM Summitで入手した最新のソーシャルマーケティング事例や、米国のソーシャルマーケティングの最新トレンドなどをまとめて、シックス・アパートのセミナーで講演する予定です。ご興味がある方は、ぜひ講演にも足を運んでいただければと存じます。

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